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この人の隣が

数ヶ月前に、あるご夫婦と食事に行った。
そのご夫婦も、うちと同じく夫ドイツ人妻日本人。
年齢は私達より少しだけ上。

私達がその二人に初めて会ったのは、もう13年も前のことで、
我が家が初めてドイツに住んでいた頃の話。

そして二度目に会ったのがその食事に行った時、というくらいだから、
その間の長い時間を経て、私はすっかり、
お二人の顔も、ご主人の名前も、忘れていたくらいだった。

この13年の間に、そのご夫婦はドイツ以外の国にも引っ越し何年か暮らし、
そして今はまたドイツに住んでいる。

互いに全く気が合わないということもなかったのに交流が生まれなかったのは、
やはりお互い大して興味を持てる対象ではなかったからだろう。

今回唐突に会ってみようと思い立ったのは、
私の心のどこかにちょっと思うところがあったからで、
それで私からお誘いしてみたら快く応じてもらえた。

さて、かなり若くして結婚したというその二人は、
今やほとんど結婚30年に近づいている。

どこの夫婦も、長く一緒に居れば居るほどそれぞれに色々なことがあると思うし、
波風の一切立たぬ夫婦なんていうのも有り得ないと私は思ったりしているが、
この夫婦も過去には色々あって、何年も別居していた時期もあったそうだ。
でも、離婚はせず、いつかまた一緒に暮らすようになった。

別居中まだ幼かった子供には随分と寂しい思いをさせ申し訳なかったと
奥さんの方は今も思っている。
でも、それしか道が無かった、という風に当時は思っていたわけだ。

彼女のこの言葉が、私にとって印象的だった。
うーん、ほんとこれまで色々あったけれどね、
今は、この人の隣が私の居場所なんだって思えるようになって、
だからとっても幸せなの。

この人の隣が…

実は私などは、自分の夫の隣にこそ自分の居場所は無いような気がしている。

もちろん、傍(はた)から見れば、私の居場所はここにしかない。
それは夫のそばであり、子供たちのそばであり、ドイツの今の住まい、ということになる。
既に親のいない私には、日本のどこにも帰る場所は無いという気持ちもある。

夫は夫なりにいい人なのだけれど、我が家も色々とあったので、
私にとっては、夫のそばにいて心が安らぐということが無くなって久しい。
それは夫から見ても同様のはずだ。

でもこれは、至って甘えた言い方であり、
私のような一介の主婦には、夫のそば以外に行く所がないのだから、
文句をたれずにここにいるしか無いのだ。

この人の隣が私の居場所。

こんな私にも、いつか何でも乗り越えて、もやもやの全てを吹っ切って、
そういう風に思える日が訪れるのか訪れないのか、
どうなんだろうなぁと思ったりした。

日本に自分の居場所を作れる日が来るのか。
ここを、ドイツを、夫のそばを、自分の居場所と思える日が来るのか。
実のところ今はまだ、さっぱり見当も付かない。

私の「居場所探しの旅路」は、
ドイツでまだまだまだまだ続くと思われる。

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真夜中の出来事~気がかりな蕾

数日前の夜中のこと。
いつも割りと眠りの浅い夫が、
外の灯りが点いたことで目を覚ました。

「外の灯り」というのは、家の外壁にいくつか付けてある照明のことで、
何かの動きをセンサーが感知して点灯するタイプのものだ。
一度点くと、2分だったか3分だったか後に自動消灯する。

灯りで目が覚めた夫が時計を見たら、午前3時だったそうだ。
こんな時間に何だ(誰だ)?と思った彼は、
起き上がって寝室(2階)の窓から下を覗き見た。
その窓から見下ろす先はガレージの前。

果たしてそこにいたのは、
立派な角を持った大きな牡鹿、
だったとさ。

ところで、今の住まいも、ここの前に住んでいた家も、偶然裏手が森。
森なのだから、ネズミもいるしウサギもいて、蛇すらたまには顔を出す(ので怖い)。
そして、鹿もいる。

私はこれまで、家のそばで鹿を何度か目にしているので、
今はもうさほど珍しいとは思わなくなったが、
初めて鹿を間近に――と言っても20mほどの距離はあったが――見た時は、
もちろん驚いた。

ところで皆さん、鹿の好物の一つに「薔薇のつぼみ」がある、
というのをご存知ですか。

私はそれを、前の住まいのお隣さんから聞いたことがある。
そのお隣さんは、自慢の薔薇に何度となく被害を受けたので、
鹿の抜け道に柵を立てるという策を立てた。

確かに、薔薇が咲くのを楽しみに待つ身としては、
咲く直前に食べられたのでは切ない。

鹿が現れたその真夜中の、
その前日に実は私は薔薇の鉢を2個買っていた。

それは60cm程の高さの薔薇で、既にいくつもつぼみが付いている。
明日には庭のどこかに植えようと、とりあえずテラスに出しておいた。

鹿の鼻に、つぼみの美味そうな匂いが届いたんだろうか。
でもさすがに、テラスにまでは来なかったようだ。
朝になって薔薇を見たら、つぼみはちゃんと付いたままだった。

餌を探してわざわざ出てきた鹿に、
食べさせてやりたいし食べさせてやりたくない。

実は私は、今年薔薇を買うのは三度目で、
前の二回とも何故か枯らしてしまった。
だから、今度こそうまくやりたい。

DSC02447_convert_20090610205557.jpg

食べられる前に、早く咲いてください。


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鹿肉

この前の日曜も素晴らしい天気だったが、
今日の日曜も良い天気。
しかし全体的にはぱっとしない天候が続くこの頃。

そもそも南ドイツの天気と言うと、
6月は割と良くて暑くもなって、7月は運がよければ良くて、
8月は半ばも過ぎれば早々と秋の気配が漂う、
という印象が私にはあるが、どうもこの6月はそうでもないような。


さて、今朝のこと。
気温23度の気持ち良い朝のテラスで夫とコーヒーを飲んでいると、
自転車で通りかかった近所のLさんが道端から夫に声をかけてきた。

Lさん:鹿の肉があるけど、欲しいかい?
夫:お、それは嬉しいですね。
Lさん:それじゃ後で取りにおいでよ。

とのこと。

Lさんは猟の資格と許可証を持っていて、
鹿狩り解禁になるとたまにどこぞの森に行って鹿を撃つ。

夫がLさん宅まで行って、鹿肉を3キロ程分けてもらってきた。
もちろん見合った金額は支払う。肉は早速フリーザーへ。


ところで私は、牛肉・豚肉・鶏肉を食べることに対しては特に何も思わないが、
鹿や猪の肉となると、馴染みが無いだけにかなり抵抗を感じてしまい、食べられない。
ウサギやアヒルなども同様。

特にウサギと言えば我が家には一匹居るので、
もしもウサギ肉のシチューを目の前に出されても、
うちのを想像しちゃってとてもじゃないが食べられない。

それに鹿と言えば、裏手の森の木々の間に、
母親鹿と小鹿を見かけることが時たまあったりするので、
食べたくない。

食べるとしたら、それ以外に食すものが無い場合だろうな。

(それじゃあ豚は、牛は、かわいそうじゃないのか!と言われると
答えに窮するわけですが…。)


随分と久々に鹿肉が手に入りほくほくしている夫をよそに、
私の眉間には皺が寄る。

過去に何度かしたように、
鹿肉のシチューをそのうち夫は作るだろう。
夫の料理の腕前は、決して悪くない。
そしてそれを喜んで食べるのは息子。

私と娘は鹿を食べたくないから、
私が何か別のものを用意することになるだろう。
そして夫は、それを見てため息をつくのだ。
こんなに美味しいのに食べないとは何事かと。
作った自分に対して失礼ではないかと。

ううむ、でも、苦手なんだよね。
どうしてわかってくれないかな。


ところで、Lさんって、自分で鹿を解体するわけ?どこで?
と夫に聞いてみた。

うーん、ああいう人は、
ケラー(地下室)とかにちゃんとそれ用の場所があるんじゃないか?
と夫が答えた。

本当にそうなのかどうなのか私にはわからないが、
もしそうだとしたら…と私はその解体作業を想像し思わず顔が歪む。

いつもにこやかなLさんだが、すごいことをするんだなあと、
感心もするが、正直怖くもなった。

余談だが、私などは、最初は2匹だったウサギの片方が病気で死んだ時に、
その亡がらを怖くて正視できなかったくらいだ。
死んで動かない動物を、なぜにそこまで怖いと思うのか、自分でもわからない。

もしも、我が家のケラーの一室で、夫が鹿を解体したら…
と想像するととても恐ろしい。
夫が猟師でなくて本当に良かった、と思う私であった。


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どこにどう消えれば

私は時々夫から、「アナタハ居ナイ方ガイイ」と言われることがある。

意味合いとしては、子育ての都合上私が一時的に居なくなるのが良い、ということで、
夫からそれを初めて言われたのは、もう何年も前のことになる。

一番大きな理由としては、
私が居るから息子がいつまで経っても色んな意味でオトナにならない、
というのがまず来る。

子供というのは確かに、その場に親がいない方がしゃんとすることが多い。
それは私もよくわかる。

が。

私はいつも思うんだけれど、
「いない方がいい、居ても意味がない」と言われることくらい、
人間にとってつらい事は無いんじゃないかと。
人格否定されることも然(しか)り。

何年か前に私は、
そういう内容の夫の言葉がきっかけで実は数ヶ月間のうつ状態に陥ったことがある。

そこから立ち直ってからは、
今度からはうつの暗い穴に突き落とされない様にと、
その穴の淵に立たされた時にぐぐっと踏ん張れるように、少しだけはなった。
そう、何事も経験である。
とは言え、そういった言葉は、やはりそれなりに堪(こた)えるものだが。

それにしても。

居なくなれば良い、と言われても、
それじゃあ私はどこに消えれば良いのだろう、と考えるにつけ、
やはりどうも現実的じゃない。

夫は簡単に言う。「いっそ半年とか、東京に行ったらどうだ?
母親が居なくなれば、息子もましになるはずさ」

そう言われてもねぇ…。
高いお金を払ってしばらく東京で暮らす?ここから出て?

私にはもう、日本国内でただで長いこと遠慮も無く世話になれる場所は無いので、
行くとしたらウィークリーマンションみたいな所を長期で借りることになる。

ぽーんと払うお金があるとしても、
どうせならばそれは子供達の将来のために使ってやりたい。
例えば、何が何でも将来的には日本に住みたいと願う娘のためなどに。

行動力に欠ける私はぐずぐずと考える。
居なくなることが本当の愛情なのか。
居なくなれば、息子は本当にマシになるのか。
いずれ戻った時に、元の木阿弥となる可能性は無いんだろうか。

はたまた、こうも考えてみる ―
そうだ、半年消えた私が戻ると、夫は言うのだ。
アナタハモウ本当ニ、本当ニ必要ナイ、と。
そして夫は、子供を手に入れた形で離婚を切り出すつもり、
だったりしてー。

うぅむ。私は唸る。

しかしそれより何より、
何でそんなしちめんどくさいことをこの私がせねばならぬのだ?
という思いもあるし。

しかし私は知っている。なんだかんだ言っても、結局夫という人は、
そんなにお金のかかることをいざ私がするとなると、躊躇するに決まっている。
いつも口先だけで、深く考えずに思ったことをぱっと口にする人だ。

ところで、かの有名な絵日記ブログ7人家族の真ん中で
私は毎日のように覗きに行っているが、
これは本当に素晴らしいブログで、うぅむと考えさせられることが実に多い。

その中の、4月末に掲載されたこの記事を読み、
ほほぉ、うちと同じ事を言われたんだーと、少々驚いた。
(しかし、私のように何ヶ月も半年も居なくなれと言われたのではない。)

この場合は、「子供のためにはいっそ母親が『ちょっとの間』家にいないほうがいい」
という意味であり、それを実行したらば子供たちにも自立心が芽生え、
つまりは大成功だった。

我が家の場合、
実はある事情から娘と父親の関係がかなり悪化し1年半が経っている。

さらに娘は、息子(娘から見れば弟)から意味も無く徹底的に嫌われていて、
部屋に閉じこもりがちだ。

娘は、勉強自体も忙しいから普段から自室にこもりがちだが、
とにかく自分を嫌う弟に自分の姿を見せない様にと、
健気で気の毒な日々を送っている。

そんなひどい態度を見せる息子をどうにも正せない私達親は、
どうにも情け無い親なのだ。
努力をしていないつもりは無いが、何一つ息子の心には届かない。

この状況で、私が何でも放り出して一人のほほんと日本に脱出するのはどうなのか。
ああやはり、娘を思うとできない。
この家で、あの子を一人ぼっちにはさせられない。

しかし、もしも私が居なくなれば、姉弟の関係に変化が生じるのだろうか。
近い将来確実にそうなることが今この目に見えるなら、私は喜んで居なくなろう。

そう、私が消えたとしても、
状況がこれ以上悪くなることだけは無い、のかも知れないのだ。

うぅぅむ。

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今年は休み

昨年6月始めに、この写真をブログに載せたことがあった。

DSC00930_c400.jpg

この麦畑に、今年はひなげしが咲いていない。

あの頃、実は我が家の傍の空地にも、それはそれは沢山のひなげしが咲き、
とてもきれいだったので今年も楽しみにしていたら、今年は実に一輪も無い。

そう言えば車で走っていても、今年はひなげしをあまり見かけない。
見かけても、ちらほらと言う感じ。

もしかして、ひなげしって、今年は休みなの?来年は咲くの?
2年に一度咲くなら、どうやってその長さを計るの?

花を咲かせるサイクルを、その長い長い時間を、ちゃんと計っている根っこ。
うぅむ、ひなげしってすごい。

そう言えば、前に住んでいた家のお隣さんの庭に楓の大木があり、
ある年に花が咲いて咲いて咲きまくり、花粉がものすごかった。

あんまりどこもかしこも黄色くなったので、なかば迷惑とも思ったが、
それは毎年のことではなかった。

楓が花を咲かせるのは、2年ごとだったか5年ごとだったかで、
それを私はドイツに住んで初めて知った。

植物ってすごいと感心した。

(※※ 手元の大辞典で確認したら、写真の花は、ヒナゲシと言うよりオニゲシかも…。)

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