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サッカーボーイ

息子は、東京にいた頃、ある少年サッカークラブに入った。
結構楽しかったようだが、入部して1年しない頃にドイツに移ることになった。

ドイツに来た時、ちょうど小学校に上がる年齢になっていた息子は、
誰も知る子のいない学校に、こちらの方言もろくに喋れない状態で、入学した。

1、2年生の時の担任は、若い女性で、ガイジンがかなり嫌いなようだった。
彼女は、わざとそうしていたのか何なのか、いつも方言を喋っていた。
それも、こってこての、とでも言えばいいのか、
とにかく、同じバイエルンのミュンヘン出身の夫が聞いてもわかりづらいほどの、
かなり強い方言を、授業中も喋る人だった。

授業内容自体は、1、2年生だからさほど難しくなくても、
先生の言葉がわからないものだから、どうも何が何だかよくわからない毎日を、
息子は過ごしていたような気がする。

学校の生徒達は、もちろんドイツ人が最も多いが、
トルコ人、ロシア人、ポーランド人など外国の子も多い。
そんな中で息子は、主にドイツ人とロシア人の子供から意地悪された。

前にも書いたが、アジアの位置づけというのは、こちらではかなり低い。
息子の顔立ちは、日本人の子と並べばかなり異なるけれど、ドイツ人とも違う。
でも、こちらの人、こちらの子供達にとっては、
息子の顔立ちは、とってもアジアの顔立ちに見えたようだった。

「へんな中国人だ!クソ中国人だ!」と何度も言われてこづかれた。
(アジア人はみんな中国人、ということになってしまうようだった。)
毎日のことだから嫌になって登校拒否を起こしかけたこともあったが、
なんとか4年制の小学校を最後まで通った。
(その点では、私は息子をとっても誇りに思っている。)

3、4年生の時の担任は、有り難いことに息子に優しい先生だったので、
親子共々救われた。
その3年生の時に、息子がまたサッカーやりたいと言い出したので、
あるサッカークラブに入れてみた。

しかし、コーチも子供達も、ガイジンの子が嫌いなようだった。
息子は、2回だけトレーニングに参加したが、意地悪されてつらそうだったから、
そんなんだったらやめればいいと、私が言った。
ガイジンであるが故に嫌われる場所に我慢していたって、
いいことは一つもない。
別のクラブにも入ってみたが、同じだったので、
3回行ってみたところで止めさせた。

嫌われても意地悪されても負けない強い心を持て、と夫は息子に言ったが、
それができる子とできない子がいる。(私などもできない口だ。)

それが去年の5月に今の住まいに引っ越して、だいぶ様子が変わった。
この町に、私たちはかつて2年間住んだことがある。
初めてドイツに住んだ時の2年間だ。
たまたま良さそうな家が見つかって、景色もきれいだし、
夫の会社も遠くないから、ということで住んだ町だった。
住んだのは2年間だけだったが、
あの頃からの友人知人は、今も変わらず良くしてくれる。

ここは田舎町だけれども、ドイツでも有名な観光地の一つだ。
いろんな所から、休暇を楽しみに、季節を問わず人が来る。
観光客、つまり、よそもの、を受け入れることに対して、
昔から抵抗のない土地柄だったのだろう。

息子は、ここに来て初めて、「近所の友達」というのが出来た。
ここの子供達は、ガイジンに対して気持ちの中にさしたる抵抗が無いようだ。
日本人の私に対しても、何の気兼ねもなく、じろじろ見るでもなく、
気軽に話しかけてくる子が多い。
(もちろんそうじゃない子もいる。どこにだっている。)

この町で、息子はもう一度サッカーをやることにした。
コーチはとてもやさしくてでっかくて、時にはおっかないが、
息子はだいぶ気に入ったようだった。

嫌な子もいるみたいだが、それはどこでも同じことだ。
仲良くなれる子がいるなら、それでいい。
楽しい仲間が出来てここで息子がサッカーを続けられれば、と私は願った。

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コメント

はじめまして

ブログ村からたどり着きました。
ウチも13歳と10歳の子がいるのですが、身につまされました。
ヨーロッパだと、きっともっと酷いのでしょうね(ウチはオーストラリアです)。
息子さんが、今もサッカー楽しんでいますように!

ようこそいらっしゃいました

お読み頂きありがとうございます。

ずっとあのまま東京に住んでいたなら、この手のいじめに息子が出会うことは無かったかも、と思います。5年生になった今でも、嫌な思いは時々しています。この私が日本人であるために息子は嫌な思いをするのだ、と、つい考えることもあります。でも、登校拒否を起こしたことは無かったので、そこは褒めています。

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