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雨の夜のアウトバーン

2週間前のこと、義弟から電話がかかって来て、こう言われた。

『 来週1週間、旅行でイタリアに行くんだけど、
 その帰りに、( ̄ー ̄) (←うちの息子のつもり)をピックアップして連れて帰っていい?
 うちのも彼と一緒に遊びたがってるしさ。
 3泊くらいで。どう?』

まあまあそれは願ってもないお申し出です。息子もすっごく喜ぶ。

私は義弟に答えた。

『 ありがとう!息子も喜ぶわ。
 ドイツにはいつ戻るの?ああそう9月1日ね。それじゃよろしく!』

義弟には、男の子が二人いる。

義弟の上の子は、
数ヵ月後に18歳になろうという我らが「甥っ子F君」(当ブログにも数回登場)で、
彼はもう、親と一緒の旅行になど数年前から行きたくなくなっている。
だから今回も一人留守番をかってでて、好き勝手に楽しく過ごしていたようだ。

そして義弟の下の子は、11歳だからまだまだ親と一緒に旅行する年頃だ。
この子とうちの息子は、とても仲がいい。
けれど今年はどうも互いのタイミングが合わず、会えた回数がぐっと少ない。

義弟がうちの息子を数日でも預かってくれれば、
息子も喜ぶし、私も家が静かになって嬉しいし、ついでに娘も嬉しい。

ということで、私達は、義弟ファミリーがドイツに戻るという9月1日を、楽しみにしていた。

が。

昨日(その9月1日)になり、義弟がイタリアから電話をかけてきてこう言う。

『 こっち(イタリア)を出るのは多分午後の4時くらいになるかなぁ。
 あのさ、アウトバーンA8の、Irschenbergイァシェンベァク(地名なんてどうでもいいですが)の
 マクドナルドまで、( ̄ー ̄)(←うちの息子のつもり)を連れてきてもらえるとすごく助かるなぁ。
 うちがそこに着くのは、夜の9時とかになると思うよ。
 ガーネットの家にまわると、100km遠回りになるからさ。
 それじゃよろしく!』   
   
           補足 : アウトバーンA8 → ミュンヘン―ザルツブルク自動車道

は?何ですと?

私は、てっきり、彼が我が家まで息子を迎えに来てくれるものと思っていた。
うちに来るのが午後の3時とかで、うちで一休みしてお茶でもして、
それから息子を連れてってくれるものとばかり…。

ところで、今これをお読みの皆さん、
私は、ドイツ・オーストリア(ま、つながってますから)、
ついでにスウェーデンでも(ってスウェーデンはまあ関係無いんですが)
アウトバーンを走ったことがあるにはあるんですが、
走った回数は、両手の指で足りるくらい。
それくらい経験が無いのですよ。

さて、私は焦った。
私という人は、こういう時に落ち着いていられる人間では断じてない。

突然私に与えられた、ミッション・たぶん・ポッシブル(?)。
しかし、Irschenbergイァシェンベァク(地名なんてどうでもいいですが)のマクドナルド、とな?
それはいずこに?

昨日は日中忙しくて、
やっと夜になってそのマクドナルドが具体的にはどこにあるのか、
インターネットで調べた。

きっとアウトバーンのサービスエリアにあるんだろうと思ったら、
地図をよくよく見ると、どうも一旦アウトバーンを出る、みたい。
サービスエリアにあるのは、マックじゃなくて、バーガーキングだ。

義弟のケータイに電話して言った。
『A8を、99番っていう出口で出て、そしたらすぐみたいだけど、それでいいのよね?』

『 え?アウトバーンから出る?あ、そうだったかなー。どうだったかなー。
 いやー、オレもあのマックに入ったことは無いんだけどもさ。
 あのほら、そっちから来りゃ左に見えんじゃん、あれだよ。』

この義弟は、いつもこんな感じで、軽いノリである。

口にはださぬが、私は思う。
何なのよ、そっちは落ち着いてるかもしれないけれど、
こちとら、きっちりとわからないことには、出発できない!
ましてや、そのナンとか言う地名も、私全然知らないんですけども。

電話のむこうで、彼の奥さんが言ってるのが聞こえる。
『あらー、ガーネットのクルマには、ナビ、ついてないのー?』

(この奥様は、少々女王様的性格のため、夫一族から実は嫌われているが、
 ご本人は永遠にそうと気付かない。)

そうです、うちのクルマにナビは無い。

さて、仕方が無い。
ネットで調べて、該当地図を、安心感が少しでも増すように、一番拡大して印刷。

確かに、それらしいマクドナルドは、これしかない。
やはり、99って出口で出る。
すぐ突き当たりの円形交差点(って言うんですか?)を左方向。
そしたらアウトバーンの下をくぐる形になって、マックはすぐに左手に現れる。

私は、ドイツで何が嫌いって、
●ドイツの『知らない所』に、自分で地図で確認しながら運転して行かなきゃいけない時。
●ドイツの、お先真っ暗な暗闇でクルマに乗らなきゃいけない時。

今回の「ミッション・たぶん・ポッシブル(?)」は、
この二つを完璧に満たしているため、私の不安は二倍になる。

日本だと、どこでも街灯とかあるから、
車が走るような所には、『真っ暗闇』というのがあまり無いように思うんですが、どうでしょうか。

ドイツの夜っていうのは、しかし、まさに射干玉(ぬばたま)の闇。

暗いと、要するに全てが見えにくいから嫌なんですよ。
それに、先行車も後続車も無い状態で暗い中を走っている時なんかは、
それを上空から見た時のことを想像しちゃって、その孤独がコワイ感じ。

ま、息子のために頑張る母です私も。

さて、義弟がそのマックに到着するであろう時刻の1時間前に義弟から私に電話をしてもらい、
電話をもらったところで私が息子を連れて出る、という手はずに相成った。

しかし、8時半にかかってきた電話では、途中ものすごい雷雨と、あとは渋滞もあったそうで、
『ちょっと遅れるかなー。マックに着くのは、10時まわるかなー。よろしく。』

ま、10時到着を目安に、私は息子を連れてこれから出る、と義弟に伝えた。
そこまで自宅から1時間弱かかるはずだ。

時刻が夜の9時になろうとする頃に、私達は家を出た。
こんな時間に、こういう用事で出かけるなんて、楽しくないなあ。

さて、車に乗り込んだら、、、がーん、さっき拡大プリントした地図が、
外が暗いから車内も暗くて、これじゃ何も見えないじゃない…。
しかし、地図はアタマに叩き込んであるから大丈夫、と自分で自分を慰める。

さて、少々遠回りにはなるが、自宅から最も近い入り口を使ってアウトバーンに入ることに。
(インターって言うのか。もう日本語も出てこないわ。)

そのうちザンザン雨まで降ってきた。
トラックにまで追い越されるというスピードで走る私。
情けないけど、仕方がない。
自分の気持ちの追いつかないスピードを無理に出すのは、どうも私の趣味ではない。

明るければね、アウトバーンに入って次第に慣れるにつれて、140kmhくらいまでなら出せます。
でも、暗いと、だめなんですよ、だって、何たって先が見えないんだもーん。

どうして、人は、あんなに飛ばせるの?
ヘッドライトをハイビームにしてもいないのに?
ああ不思議。

出口のナンバーが、登り車線の場合は、その数が減っていく。
そう、103、102、101、という風に。

次が99、次で出るんだ、という所になって、後部座席の息子が言う。

ママ、間違わずにちゃんと来れたね。

まあね、間違いようも無いルートなんだけどね、
ママって、なんでこうナーバスなっちゃうかな。
とにかく暗いとだめなの。

うん。パパなんてさ、ママの二倍のスピード出すよね。

まあ、二倍とまでは行かないだろうけど、
いいよ別に、ママって夜は遅いんだよ、トラックよりも。
でもさあ、無事にマックに……。

着いたと思ったのだ。

しかし、マクドナルドへの進入路~♪と思って入ったその道は、
な、な、なんと、私が帰るはずのアウトバーンの下り車線への進入路であった。

おっと。ここまでパーフェクトだったのに、私ときたら最後の最後でドジを踏む?
夜も遅いし、他車もいないし、ええい、止まってしまえ。

入って5mで右寄りに停車。
後ろから一台来るも、クラクションも鳴らさずにやり過ごしてくれた。
ああ、ありがたや。

ということで、あっさりUターンさせてもらって、無事にマックの駐車場にたどり着いた。

何のことは無い、私は、一本早く左折してしまったのだった。
マックへの入路は、15m先の二本目だった。
そのあたりは、ほんとに暗くて、どれがマックへの入路なのかとっさに見極められず、
手前のアウトバーンへの進入車線に入りかけた、のだった。

良く見りゃちっちゃなMのサインが、左手にあった。
ちっちゃ過ぎて暗すぎて、最初は見えなかった。

とにもかくにも、無事に着いてよかった。
義弟の車が着くまで、私はゆっくりとMacCafeで、ホットチョコレートを飲んだ。
気持ちがくたびれた時は、甘いものに限る、だ。
息子は、夜の10時だというのに、大好きなビッグマックを頬ばった。

義弟もじきに到着し、私は義弟夫婦と少しお喋りした後、息子を預けて一人帰途についた。
帰り道は、娘に借りてきたKAT-TUNのCDを聴きながら帰った。

ああ、私って、ドイツの、夜の、雨の、アウトバーンを、
トラックよりのんびり走りながら、KAT-TUNを聴く、
世界で唯一人の、ジャパニーズよねぇ。よくがんばったわ私。

来た時よりももうちょっとだけスピードアップして、帰った。
雨足は、かなり弱まっていた。

ということで、おしまい~。

自宅からの走行距離? → 往復で130km

え?そんなに?と自分でもビックリ。

帰宅時刻?        → 23:20 でした。




大変長々と書いてしまいました。
最後までお付き合い頂いて、ありがとうございました。
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コメント

真っ暗闇のアウトバーン!

大爆笑!
たしかにこちらのアウトバーンは、街灯も少なくて暗いですよね。オーストリアは高速でも山道が多いので、下り坂なんて、前に誰も走っていなかったら、本当に谷底に落ちそうです!笑 おまけにガードレールもあったりなかったりするし。。。

よく頑張ってマクドナルドまでたどり着きましたね!
よかった、よかった。
でも、帰り道はおひとりで、しかも夜10時過ぎ。そっちの方が心細かったんでは?

いやー頑張りましたよ

まだ文章推敲途中にコメント頂きました。あんちゃんちオットさん、ありがとうございます。

頑張りました我ながら、って言うか、ほんと、明るければまだしも、私は暗いのがダメで。
冬場は早く暗くなるから、ほんと嫌です。

中央分離帯があるにしても、こちらがハイビームにしてると対向車はやはり眩しいかと思い、こちらから対向車が見えない状態の時はハイビームにして、見える時はやめて、という風に走っていましたが、対向車にとっては、どうなんでしょうね、このハイビーム。でも、私を追い越していく車両はどれも、ハイビームなんてしていない。
もう、雨と暗さで、参りました。

帰るときのほうが気が楽でしたね。
『行き』は息子のために無事に、『帰り』は家で一人で待っている娘のために無事に、
そう思ってKAT-TUN聴きながらひた走りました(笑)。

尊敬!

すごいです! 素晴らしいです! ドイツでの運転初心者の私から見たら、オリンピックで金メダルよりもすごいと思います。真っ暗で雨が降っているアウトバーンを130キロも運転するなんて!「知らないところへ、地図を確認しながら行くなんてすごくイヤですよね!一応私はナビもっていますが、日本語の感覚から行くと「右折」じゃなくて単に、「道が右なりにカーブしているだけ」みたいなのとか、余裕なく「今、左折しろ」とか言われるのがイヤで、結局、知らないところへナビだけでは行けずにいます。何回も往復してようやく道を覚えたため、子どもの学校まで片道30分(普通道路)往復できるようになりましたが、イレギュラーがあるともうアウトです。ガーネットさん、道まちがってもちゃんと修正されたんだから結果オーライですよね。私も早くそうなりたい。間違うのは仕方ないけど、安全に修正できるように、なりたいです。

いえいえ

いえいえ、オリンピック選手の演技はただただ素晴らしくて、どうあっても自分には不可能。でも車の運転というのは、言ってみれば猫も杓子もやっていることなのだから、自分にも出来るはずであろう、と思うわけです。どれだけ落ち着いて運転できるか、そこなんですが、アウトバーン走行は経験を積むことが無いため、どうも慣れなくて。主人が運転していて私が助手席の時は、なーんだ別に簡単そうじゃん、とか思うのに、いざ自分で運転すると、なんでああもアセるんでしょう。
お子さんの学校まで、片道で30分ですか。遠いんですね。でも、往復で1時間だから、それだけの距離を、え?毎日送迎している?もしそうならさらにどんどん慣れていくことでしょう。
私も、道間違ったり、迂回路があったりすると、またぞろそわそわしちゃいます。もう持病のようなものです(笑)。

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