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ガソリンスタンドにて

先日、義母の誕生日のため夫の実家に出向く途中のこと。

とあるガソリンスタンドが、他よりぐっと価格が安いのが目に留まり、
ちょっと入れていこうということになった。

あ、この↓写真は、インターネットから拝借したもので、ここで給油したわけではありません。
よくあるガソリンスタンドの一例、ということで載せてみました。
ガソリンスタンドの一例です

夫が運転する時は、給油も彼がやる。(ドイツは基本的にセルフサービス。)
私は別にすることが無いから、ただ助手席に座ったまま待つ。

ぼんやりと何気なく右のほうを見たら、給油しているおじいちゃんがいた。
おじいちゃんのクルマは、結構新しい、立派なアウディだった。(おぉ。)

しかし、そのおじいちゃんは、それはそれは高齢だった。
優に80歳は越えていると見た。
どう見ても、運転するにはかなりの高齢だ。

手元が何だかもうおぼつかない様子。
こんな年取っても運転をするのかと、私はまじに驚いた。いや本当に。

おじいちゃんのアウディの助手席には、
これまた御高齢のおばあちゃまが、ちんまりと納まっている。
(これこそまさに、生涯の伴侶、と言えよう。)

給油中によろけさえするおじいちゃんを見るに至って、
私は思わず車を降りて手を貸してしまいたくなったのだが、

夫がちょうど給油し終えて支払いも済ませたところだったし、
私はただ、おじいちゃんの動作を、じっと見守るにとどめた。

ところで。

セルフサービスのガソリンスタンドで
自ら給油してみたことのある人ならわかるでしょうけれど、

自分で給油する時というのは、
まず車を停めてエンジンを切り、車の給油口扉を開けたらば、
そこで車を降りるわけですね。

そして、自分のクルマに適した、ガソリンなり、ハイオクなり、ディーゼルなり、入れるわけです。
私などは、うちの車がディーゼルエンジンなので、
間違わないようにと、ディーゼル、ディーゼル、ディーゼル、と、ブツブツ唱えながら、
↓こういう中から、「ディーゼル」を手に取るわけです。
   (なんたって日本では、ガソリンスタンドで車降りたことありませんでしたから。)
tanken.jpg

おじいちゃんがちゃんと適した燃料を愛車に補給しているのかと、
私はとても心配になりました。
ちゃんとはっきり目で見て選んだんだろうか…。

そして、適したものを選んで手に取って、給油するわけですが、
通常は、これを給油口に差し込んで、そこで初めてレバーを握る。
これを握っていれば、ガソリンがどどーっと出てきます。
(↓この、4本の指が捉えている、このレバーですね。)
tanken1.jpg

満タンまで入れようなんていう太っ腹な時は、
そのレバーを出っ放し状態に固定させておくために、
そこにくっついている小さな爪みたいなものを起こします、そうすると勝手に給油し続けてくれる。
満タンになった状態で自動的に止まります。

さて、私が気がかりでたまらないそのおじいちゃんは、
レバーを握ったままでそこにかろうじて立っていたみたいだった。

そして、あろうことか、レバーを握ったままで、給油口からはずしてしまった。
もちろん、ガソリンがあふれ出てしまった。

あふれ出たガソリンは(あるいはディーゼルだったかハイオクだったか)、
アウディの車体にも盛大に降りかかり、
高齢のためおもむろにあわてたおじいちゃんは、
車体を守ろうと手の向きを替えたものの、レバーを握ったままだったから、
今度はおじいちゃんの着ている服にガソリンが盛大にかかってしまった。

ああ…。

おじいちゃんは、その日、ババリア(=バイエルン)の伝統的な正装をしていた。
教会に行く途中だったのか、それとも誰かの結婚式に向かうところだったのか、
とにかく正装をしていた。

せっかくの服が…と、可哀想になった。
乾いても、臭いはなかなか消えないだろう。

ああ、気の毒だ。

車に乗り込んできた夫に、
あのおじいちゃんに手を貸してあげればよかったのに、と言ったら、
ううむ、でも、そうすると、余計なことをするな!と逆に怒られてたかもしれない、と言う。

・・・・・。そうだろうか。
あんなよぼよぼのおじいちゃんが、誰かを怒るものだろうか。

でも、もし怒られたなら怒られたで、それで良いではないか。
もしそうなら、ただ引き下がればいい。

でも、これがまた、私の日本人らしいところだったりするんだろうと思う。

助けが欲しけりゃ自分からそう言い出すだろう、言い出すべきだ、というのがドイツ人。
何も言い出さない人に、わざわざ手を貸す必要はない。これがドイツ人の考え。

夫は、構わず車を出す。
私は、動き出した車の中で、その老夫婦に思いを馳せる。

おじいちゃんがすっかりガソリン臭くなって車に乗り込んで、
おばあちゃんは何と言っただろうか。
おじいちゃんは、おばあちゃんから給油の苦労を労(ねぎら)ってもらえただろうか。

早く臭いが取れるといいな、おじいちゃんの服。


高齢者の運転は、ドイツでも問題になっている。

ちなみに義父(80才)は、もう安全に走れないと自覚した10年前に、
きっぱりと運転をやめた。
しかし、義母が運転をするから、義父はまだいいのだ。

夫婦の両方が高齢や病気のために運転できなくなったとしても、
替わりに運転してくれる人が身近にいなかったら、
無理をしてでも再びハンドルを握ることになるんじゃないだろうか。

ドイツで車無しの生活など、住む場所によっては、特に田舎では、
これはもう成り立たないとも言えるくらいだ。

おじいちゃんも、かなりの無理をしておばあちゃんと出かけているのかもしれないなぁと、
余計な心配を、私はまたしてしまうのだった。

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