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「小銭ください」

郵便局に行こうとして車を停めた。
そこから郵便局までほんの30mの距離を歩き出す。
あと10mで着くって時に、若い女性(ドイツ人)に声をかけられた。

あのー、細かいお金をお持ちじゃありませんか?
電話をかけたいんですが、細かいお金が無くて困ってるんです。
50セント(60円くらいでしょうか)でいいんですが。

彼女の手には、バッテリー切れであろうケータイが。
そこの郵便局は、斜め前に電話ボックスが並んでいて、
そこで彼女は通り過ぎる誰かを待っていたんだろう。
焦っている様子だった。

私は不意をつかれて立ち止まり、彼女の言っている意味を一瞬考えた。

この人は、「私の5ユーロ紙幣を細かくしてもらえませんか」と言っているのじゃない。
「小銭を持っているなら少しでいいから頂戴!」と言っているのだ。

公衆電話はお釣が出ないから、
彼女がもしも2ユーロ硬貨なら持っていたとしても、
2ユーロで短い電話をかけるとしたら、
それはやっぱりちょっともったいない。

私は、バッグから財布を取り出し、細かいお金があるか見た。
ちょっと複雑な気持ちになった。

しかし彼女は急いでいる。
あげる気があるのなら、さっさとあげればいい。
困った時はお互い様だ。
そう、それは万国共通。

私は、細かいお金が少しなら財布にあったから、それを彼女にあげた。
50セント硬貨ではなく、10セントと20セントを混ぜて何枚かあげた。
この方が便利だろう。

100円にも満たない額を誰かにあげて、別に困るわけではない。
でも、自分だったらどうするかなそんな時、と、郵便局に入りながら考えた。
あんな風に他人に聞くかな、小銭下さいって。
しないな、財布を盗まれたとか、よほどの場合じゃない限り。

目の前は郵便局だ。
通りを渡った向こう側には小振りなデパートもある。
困っている事情を話せば、
自分の手持ちのお金を細かくしてもらえることは出来そうだ。

それに、郵便局の人が、うちは両替などやりません、と突っぱねるとは思えない。
それにドイツでなら、それじゃこの両替依頼書に記入をして、なんてことは言わず、
さっと替えてくれる気がする。

もし両替手段が無くて、でも1ユーロか2ユーロ硬貨なら持っているとしたら、
私ならそれで電話をかける。
お釣が出なくてもったいないが、仕方が無い。

だって、ガイジンの私が、小銭下さい、なんて他人に言ったら、
それこそ変な目で見られそうだ。
全くアジア人は…と思われるのが落ちであろう。

些細な出来事で、そんなことまで考えてしまった。

でも。

そんな小さな親切って、どこかで自分に帰ってくる/来たような気がする。
だから人に親切にしよう、と言いたいわけではないが、
自分が困っている時に、あるいは、全く何も困っていなくても、
誰かから親切にしてもらったことが、自分にだって無数にある。

そんな多くの「誰か」に対して、形としてのお礼は何もできなくても、
全く関係の無い場所で全く関係の無い人を、ほんのちょっと助けてあげたなら、
それで小さなお礼が一つだけできたような気が、私はちょっとしたりする。
 
だから彼女にも、この出来事をころっと忘れずに、
いつかどこかで誰かに一つの行為として、何かいいことをしてほしいな、
と思ったりしたのだった。

だって、親切な気持ちが広がるに越したことは無いんだから。

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コメント

ごめんなさい、ガーネットさんの親切な心に水を差すようですが、私がン年前にドイツに来て出会った20ペニヒ詐欺を思い出しました。
その学生風の男はやっぱり同じように「電話をかけたいんだけど、小銭がないから20ペニヒもらえないだろうか?」と声をかけてきました。20ペニヒぐらいならと気軽に与えて目的地に行き用事を済ませて別な地下鉄の駅から帰ろうとしたら、さっきの男が別の人に私に言ったのとまったく同じことを言って20ペニヒもらっているところを見てしまいました。
彼は一日そうやって、たくさんの人から20ペニヒをもらっていたんでしょうね。たかが20ペニヒだからみんな気軽にくれてやるけど、100人からもらったら20マルクになっちゃうんですよ。当時の20マルクって、今の10ユーロよりずっと価値があったような気がするんだけど。
ガーネットさんが出会った女性も普通だったら1ユーロか2ユーロを出して「細かくなりませんか?」って聞くんじゃないかしら。私だったらそうするけどなぁ。
でも、こういう風に聞かれて「あげません。」って言うこともできないですよね、普通。金額が金額だから。

私ね、お金をあげたその時は、実は親切心なんて湧いてなかったんですよ。
猜疑心の方が実はまさってました。
あとから考えたら、まあ一応は親切なことであったか、と。
あるいは、pharyさんの仰るとおりに、ただ騙されたのかもしれません。
突然お金下さいなんて、それが30円でも、ちょっと奇妙ですものね。

似たようなシチュエーションが、実は過去にもあって、その時は相手がおっきな若い男性でした。場所は主人の実家近くの道路。昼下がりで人通りも無く、私は幼子二人連れて買物に行く途中。その青年に、50セントありませんかって聞かれたんですが、その時は細かいお金を全く持っていなかったことが確かだったので、財布も出さずにそう伝えました。
でも、通り過ぎてから思ったんですよ。あんな閑散とした所なら、私が財布を取り出した時点で彼が私を殴って財布を奪って逃げれば、残る子供はなす術も無いわけだし、私は動けないわけだし……。疑ってかかればそんな風にも考えられます。

でも、pharyさんの出会ったその人も、わずかなお金を100人からもらうとしたら、根気だけはありますねえ。すごい。

昨日は、電話をかけたいというその言葉を、私は疑いませんでした。
ま、もしもワルイ人だったなら、しっぺ返しもまたどこかでやって来ることでしょう。
世の中、そんなものだと思います。ふふふ。

きゃ~、「しっぺ返し」ですね。ちょっと怖いな~って思いました。

施しって悪いことではないですから、「情けは人のためならず」ですよね。

ガーネットさんにはよいことがありますように。ドイツ人の若いひとに親切にすることは絶対にいいことですよ。

だって、あと20年くらいたって、年をとった東洋人のオバアサンが路上で財布を落として困っているとするでしょ?

かつて、東洋人の素敵なミセスにお金をもらったことのある、中年のドイツ人女性は、きっと、その東洋人を助けようとすると思うから。

「この役立たずの老いぼれ○国人女!」と怖~いお兄ちゃんから苛められないためにも、今からせっせと「徳」を積んでおきましょうよ。

記事の最後の部分は、あんまりお人好しなことを書いたかなと自分でも後から思いました(笑)。

しっぺ返し、と私が書いたことが怖いですか。でも、人を騙して物を奪い、…って、表現が大げさになってきましたが(笑)、それで何も咎が無いとしたら、これはとってもアンフェアです。騙されて奪われた人が気の毒。そりゃ50円なら諦められますが。
記事に書いた女性が善人かそうでもないかはわかりませんが、人を騙すという行為について言えば、それは私が最も憎む行為の一つにカウントされます。騙された人達の、怨念って言うと大げさですが、でも、腹立たしい気持ちなんかを、騙した人は知らず知らずに背負っていくわけで、体に良いわけ無いですね。まあ、警察にこそ捕まらなくても、どこかで何かの折にちゃんとしっぺ返しがあるほうが(別の誰かに騙されるとかね)ご本人の身のためになるんではないかと。

昔、ある方に(日本人、Nさんとしておきましょう)、うちの子供達にどうぞと本を沢山頂いたことがありました。Nさんのお子さん達のお古でしたが、あれは私達がドイツに初めて住んだ時だったこともあり、日本の本がとても珍しくてありがたくて嬉しかったんです。子供達もその本はどれも喜んでよく開いて見たものです。
私はNさんにこう言いました(正直に過ぎたんですけれど)。
何かお礼をしたいけれど、Nさんのお子さん達はもう大きいから(その時点で既に成人してた子と、あと18歳くらいの子がいたと思います)何かお礼と言っても、どういうものが喜んでもらえるでしょう。
そしたらNさんがこう言って下さったんですね。
いいのいいの、あなたがまたどこかで誰かにこんな風に何かしてあげたら、それでいいのよ。それがお礼、って言うかさ、私やうちの子供達にじゃなくて別の誰かにってことになるけれども、それでいいのよ、そうやってどこかに広がっていけばそれでいいの。私だってね、誰かさんにどこかで手を貸してもらったり助けてもらったりしてここまで来たんだから。あなたの子供達がもうちょっと大きくなってあなたに余裕が出来た時に、どこかで誰かに何かしてあげてね。
これは、以前の私には無い発想でした。
ああいいなそういうのって、と思い、実践しようと思ったわけです。

あえて一言

<<「この役立たずの老いぼれ○国人女!」と怖~いお兄ちゃんから苛められないためにも、>>

知らん顔していようと思ったんですが、あえて一言言います。
このような表現をする前に、もう少し言葉に気を配った方が良いと私は思います。
あなたがそれを言っている相手(この場合は私ね)に、いつか役立たずの老いぼれ女!と呼ばれどやされる日が来るかも、と言っているのと同じ、という風に意味をとられる可能性が高い表現かと。もちろんそういう日が来るわけです、いつかは。でも言葉にして相手に言う事でもありません。
偉そうなことを言える立場ではありませんが、もう少し言葉を選んで頂きたいと思いました。
何よりも、あなたの品位を落とさないために

なんてね、ごめんね、こんなこと書いて。
こんな小うるさいことを書きたくなるのも、これで結構私らしい部分なのでお許しを。

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