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娘とミュンヘンへ ~ パスポートの受け取り

学校がお昼で終わってクリスマス休暇に入った一昨日の金曜、
急に思い立って娘とミュンヘンに出かけた。

かなり前に申請していた私と娘のパスポートを、
この休暇中にはいい加減受取りに行かねば、と思っていた。
行く先は、ミュンヘンの日本国総領事館。

パスポートの受取りには、世界のどこに住もうと本人が行かなければならない。
私自身は、なんとなればいつでも時間を作ってミュンヘンまで出かけられるが、
学校のある娘は、平日ではなかなか行ける機会を作れない。

我が家からミュンヘンの日本国総領事館までは、ちょっと遠いのだ。


ところで、息子は、日本のパスポートなんて要らない、と
少々小憎たらしいことを言ったので、今回は作らずにおいた。

もともと彼は、日本国籍を持ち合わせていることを嫌っている。
それはおそらく、これまで「クソ中国人」と馬鹿にされてきた経験から、
アジアの国籍を持つことをすんなり受け入れられない気持ちが働くのだろう、
と私は分析する。

別に、それならそれでいい。
子供が、親のどちらかの国籍を将来捨てる時が来て、
捨てるのが日本国籍だとしても、私はそれはどうでもいい。

子供にドイツ国籍を捨てられたらきっと嘆くであろう夫を思うと、
ここで私は自信を持って夫とは180度異なると言える。

子供には子供の気持ちがあるのだ、自分で選べばいいことだ。
どちらかを捨てなければならない時が来たら、どちらかを捨てればそれでいいのだ。
自分の子が自分の子であることは永遠に変わりがない。

うちの子供達の場合、近日中に日本に発つわけでもないし、
別に日本のパスポートを持っていてもいなくても、
たった今問題になるようなことは何もないので、
息子の分は、必要になることがあったらその時に申請しようと思っている。


しかし、私は、日本のパスポートが必要だ。
ドイツ国から無期限の滞在許可も得ているので、
それを貼り付けておく大元のパスポートが期限切れではまずかろう。

私の10年パスポートが期限切れになった今年11月の時点で、
娘の日本のパスポートはとっくの昔に期限が切れていた。

うちの子供達は、ドイツのパスポートがあればとりあえず旅行の際には事足りる。
しかし娘は、どうしても日本のパスポートがほしい!と言ったから、
私のと一緒に申請することにした。

彼女も、息子同様、日本とドイツの二重国籍を持つことを、実は嫌っている。
しかし彼女の場合は、息子とは逆で、ドイツ国籍を持つことを嫌がる。
ドイツもドイツ人も嫌いだ、と娘はよく言う。

うちの子供達が二重国籍を持つ原因は、親の国際結婚なのだから、
そういうことを子供達から言われる時、私はつい申し訳ない気持ちになる。
何かあれば、すぐに迷ってくよくよしがちな私だ。

投げやりな気分の時には、ああいっそ国際結婚などしなければよかった、
と思うことは、これで結構多い。


ところで、夫無しでミュンヘンまで出かける時は、
どこぞの駅まで車で行って電車を利用することにしている。

夫はいつも、車で市内まで行けばいいのに、と言うが、私には無理な気がする。
それに、車が無いほうが動きやすい、とも思う。

これまで夫の運転で何度も行ったミュンヘンだが、
私は、いつまでたっても、ミュンヘン市内の地理を覚えていない。
渋谷や新宿を車で走り回るような土地勘みたいなものが、ミュンヘンでは全く無い。
だから、電車で行って、歩いて回る。そのほうがいい。

ミュンヘンの日本国総領事館は、とってもきれいなビルに入っている。
(数年前そこに移転したんだったと思う。)

ああこんなきれいなオフィスって、毎月の家賃に一体いくらかかるんだろう、
この、いつ行っても暇そうな職員さん達は、どんなきれいなアパートメントに住み、
どんないいお給料をもらってるのかな、なんてことを、行けばいつも思う。
こういうところで働いていて、仕事のストレスなんてものは、一体あるもんなんだろうか、
なんてことも思う。

(あ、あんまり言うと、まずいかな。領事館の人が、見てないとも限らないものねこのブログを。)

でも、一番気にかかるのは、領事館を入ってすぐの、警備のドイツ人のひと。

セキュリティチェックがあるから、荷物とコートは入り口を入った所でX線を通さないといけない。
こんな静か過ぎるオフィスで、セキュリティチェックだけを、このドイツ人のひとはしているのかな、
たまんないだろうな・・・でも、これが仕事だもんな、それでお給料をもらっているんだもんな、
ある日突然リストラで仕事を失う働き盛りの人だって多いのだから、
仕事があるだけラッキーだとも言えるだろうか、なんてことをまた思ってしまう。


さて、めでたくパスポートを受け取って、領事館を後にする。
市内中心部のマリーン広場Marienplatzまでは、そこから徒歩で10分くらいだろうか。
マキシミリアン通りを、娘とぷらぷら歩く。クリスマスのイルミネーションがきれいだ。

ホテル・ケンピンスキの前には、それこそ人種の異なりそうな、
お金持ちで優雅な、気品あふれる人々があふれていた。

ミュンヘンで一番高い店が並ぶこのマキシミリアン通り。
およそ手は出ないがうっとりとため息だけは出るブルガリ・ショップを、
外からだけ眺め、通り過ぎる。

こういう場所でこういう店に入っていくとしたら、それ相応の気品が要る。
たとえすごいお金持ちでも、下品な人には入る資格が無い、と思う。

私自身には、そこで引けを取らない気品もなければ、お金もない。
着ているものや持ち物からしてお金のかかった上質なものでなければ、
ああいう店に入ることすらヘンである。

ましてこちらはアジア人だ、それだけで大きなハンディがある。
気品あふれるヨーロッパ人を上回って堂々張り合える日本人など、
そうそういるものではない。

通りに並ぶブランドショップには、入り口にガードマンがいる店も多い。
財力だけが成せる余裕と、優雅な気品なくしては、とても入れてはもらえなさそうだ。
まあいい。別に、どこぞの店で700ユーロの靴を買おうとは全く思わない。


ぷらぷら歩いてマリーン広場に着いた。
娘が、友達と私のためにクリスマスプレゼントを探したいから一人で動きたい、と言うので、
1時間半ほど娘と別行動にする。

ミュンヘンまで来たけれども、私には別に買うものもなかった。
クリスマス・プレゼントを、こんな家からかなり離れた場所で買って、
後日交換とか返品とかになったら、それこそ面倒くさいではないか。

私は、クリスマス市を眺めて回る。

der Cristbaum in Muenchen Marienplatz
(娘のケータイで撮ってもらった写真)

このクリスマス・ツリーは、高さが10数mだろうか、
こんな重そうなものをどうやって倒れないよう固定するんだろう、と思う。

しかし、それにしても、ここにはまったく何の雰囲気もない、と私は思う。
この、ミュンヘンの、クリスマス・マーケット。
多くの観光客が訪れるこの街のクリスマス・マーケットには、
こう言っちゃ申し訳ないが、本当に、心地よいクリスマスの雰囲気は何もない。

雨がちな天気だったので、金曜の夜ではあったが人出は少なかった。
いつか経験したような、身動きできないほどの混みようではなかった。
だからその分ゆっくりと落ち着いて眺めることができた。

帰宅してからそんな印象を夫に話すと、ああ、昔からあそこのはそうだ、と言う返事。
ふうん、そうなんだ。
外人の私が「雰囲気がない」と感じるのだから、地元の人はもっともっとそう感じるんだろう。


私は、ミュンヘンで実にただの一つも買い物をしなかったが、
娘は、何とか買いたかった物を全部揃えられたようで、よかった。

新しいパスポートが手元にある。
とりあえず、その日一番の目的は達成したので、私は満足。
170ユーロ近いお金を払い、二つのパスポートを買ってきたと思えば、
これだけで充分な買い物だった。


新宿の人ごみを縫って元気よく闊歩していた自分は、とうの昔にどこへやらだ。
たかがミュンヘンに行っただけで、ふー、疲れたー。

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コメント

おドイツに住んでかれこれン年になりますが、このクリスマスマーケットには初めの年に行ったきりです。
人ごみが嫌いということもありますが、わざわざ見るほどのことでもないというのが正直な気持ち。クリスマスのお飾りなど、電車代をかけてここまでやってこなくても近所のスーパーとかで買えちゃうし。

<こんな静か過ぎるオフィスで、セキュリティチェックだけを、このドイツ人のひとはしてるのかな、たまんないだろうな・・・>
私もあそこに行く度に同じように思います。
おしゃべりなんかもできないだろうしね。でも、誰も訪問者がいないときは受付の人なんかとしているのかしら?
以前、領事館のことをブログに書いたときに、呼び鈴を押す前にドアの前の表札のおさしん撮ったら、入ったとたんに「ドアの前で何をしていたのですか?」ってきかれたから、監視カメラを四六時中見ていたんだってことはわかりました。退屈なお仕事にちょっと刺激を上げたような気持ちになりました。

Re:

クリスマス市は、もっともっとこじんまりとした店がちょっと立ち並ぶくらいの所でも
温かみがあって良い雰囲気があるように思います。
店の数が少なくても素敵なクリスマス市は他にたくさんありますよね。

> <こんな静か過ぎるオフィスで、セキュリティチェックだけを、このドイツ人のひとはしてるのかな、たまんないだろうな・・・>
> 私もあそこに行く度に同じように思います。
> おしゃべりなんかもできないだろうしね。でも、誰も訪問者がいないときは受付の人なんかとしているのかしら?

つい、なんかかわいそうになっちゃうんですよ、ドイツ人には堪らないんじゃないかと。
どうなんでしょうね、勤務中におしゃべりすることもあるのかしら。
でも、デスクの下でこっそり本読んだりできるならいいでしょうね、なんたって静かだから。

> 以前、領事館のことをブログに書いたときに、呼び鈴を押す前にドアの前の表札のおさしん撮ったら、入ったとたんに「ドアの前で何をしていたのですか?」ってきかれたから、監視カメラを四六時中見ていたんだってことはわかりました。退屈なお仕事にちょっと刺激を上げたような気持ちになりました。

監視カメラを、ちゃんと見てるんですね、中の人(笑)。

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