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ナミダのイリョク

私は、涙もろい。

それでも、子供がいなかったら、涙ぐむ回数など、
今よりはるかに少ないだろう、と思う。

涙ぐむのは、なにも悲しい時だけじゃなく、感動しても同様。
睡眠不足続きで気持ちが疲れている時も、
何かの拍子に涙が浮かぶことがある。

昔、子供達が小さくてポケモンが好きだった頃、
一緒にポケモン映画など見ながら、
クライマックスに親の私が感動して涙ぐんだ。
息子は、あーママ泣いてるーと笑った。

私は、子供の前では涙を見せぬ親、では決してない。
そんな芸当は、逆立ちしてもできない。

泣きたい時は、こらえても涙が出てしまう。
だから、涙を見せぬ親の流す涙の威力は、私には全くない。
私の涙を見ても、子供は、なーんだ、またか、となる。

さて、昨日は、息子に随分と泣かされた。
というか、最近は、息子の罵声に涙のこぼれる日が多い。

振り返ってみると、先週歯列矯正具をつけられて以来、
彼はイライラし短気になり、いつにも増して私に当たるように思われる。

食べたいものが食べられない、硬いものが食べられない、
思い切り噛むことも、ガリッとかじることもできない、などなど。
誰にだって、こういうことは、つらくないわけがない。

ところで、娘が歯列矯正を始めて既に5年も経つが、
彼女の場合は、痛みにも不都合にもじっと黙って耐えてきてくれて、
矯正の段階も、今はやっと終盤に入ってきている。
私は、娘を見てきて思った、さぞかし大変だろうが、でも耐えられる、と。

こちらでは、10歳前後から、
どれほど多くの子が歯列矯正を始めるだろう。
みんな、頑張ってやっている。
だから、うちの息子もできるはずだ、と私は思いたかった。

歯が全て、顎ごと痛んだ3日間の苦しみを耐え抜き、
それに関してはほとんど何も言わなくなった息子だが、
その分、ちょっとのことで私に当たる頻度が増えてきた。

男の子は、母親にぶつけるものですよ、と、
ちょっとしたお知り合いの、とある大学の名誉教授に
昨年言われたことがある。

感情を、外で何かにぶつけて物でも壊されては困るので、
私にぶつけるのは仕方の無いことと思うものの、
なかなか辛らつな言葉が、息子の口から出てくると、
私としてもつらくなり、その気持ちを涙にして流し出さなければ、
私はもたない。

さて、昨日最後の涙は、夜に息子が、
音楽のことでわからない所がある、と言って聞いてきた時だった。
音符に付ける、シャープとフラットの意味がよくわからない、と言う。

ところで、ドイツでは、
ドレミファソラシドと言わず、順に、C、D、E、F、G、A、H、C と言う。
基本のドの音を、C1と書くから、
ドレミファソラシドは、C1、D1、E1、となっていく。

音符に疎い私に、
アルファベットで、それも、Aから始まらないアルファベットで、
途中Gの後ろにAを挟んで、急にすらすら言えるわけが無い。

それに、音楽のことで何か聞かれたのが随分と久しぶりだったから、
私は、ドレミをどのアルファベットで示すのかさえ、忘れてしまっていた。

静かな時間を数分でももらえれば、忘れたことも思い出せて説明もできるが、
親に宿題を聞く時というのは、子供は常に即座の返答を求めるものだ。
ドレミの基本でもたつく私に、息子がまた怒り出す。

さらには、シャープとフラットをドイツ語で何と言うのかを、私は知らなかった。

息子がまくし立てる。
ああ、他の子はいいよな!
みんなお母さんがドイツ人だから、何でも上手に説明してもらえる!
うちは何だよ一体!
ママには子供の言ってることさえわからないんじゃないか!
ママって、ほんと、馬鹿だよな!

ふぅー。
今日はもう泣くまいと思うが、涙が浮かぶ。
まくし立てられるから余計に、
目の前の音楽のノートの内容など頭に入らない。

「だからシャープは…シャープって何て言うのよドイツ語で…とにかく半音上って、♭は…」
「シャープって何だよ!」てな調子になる。

現役中学生の娘に聞けば良さそうなものだが、
最近姉弟仲も悪いので、絶対に聞きたくないと息子が言い張る。

こんなことが、日に何度となくあり、その都度子供に軽蔑され、
馬鹿呼ばわりされる自分は、一体何なんだろう。

彼がどんな大人になっていくのか、親でありながら想像もつかない。
しかし、めそめそ涙ぐむ女だけは大嫌いになるだろうな、とそれだけ確信する。
人の涙を見てもものともしない、そんな男に育っていくんじゃ、まずいな。

イリョクを持たぬ涙には、
良い影響を与えるチカラも、おそらく無いんだろう。

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コメント

つらいのはわかるけれど

ママを馬鹿とは何ですか!
ママがあなたの世界の始まりなのに。
うちに修行によこして下さいな。根性叩き直してさしあげますぞ。

あーあ、でもそれが母親の無償の愛なんですよね・・・。
ガーネットさん、どうか元気出して下さいね。

うちのおにいちゃんも反抗期真っ盛りのころは相当なものでしたが、面と向かってののしられたのは数えるほどです。たまにののしられたらこちらも負けずに言い返していましたけどね。
むしろ私は無視されたのが嫌でした。
ゴハンだと言っても部屋から出てこなかったり、遅くまで家に帰ってこなかったり、ことごとく家族と顔を合わせないようにしていた時期がありましたね。
反抗のあり方もその子によって違うようです。(女の子はグサッと胸に刺さるような、でも的をついている、それだけにきつい言葉を吐きませんか?)
男の子というのは母親に甘えるから辛く当たるんだそうです。どんなことをしても許してくれるという甘えがあるんですって。
でも辛く当たられる側にしてみればたまったもんじゃありませんよね。
私も何回か涙を出しましたよ。でもそれは息子のあまりのおバカ加減に情けなくなって出た涙です。恥ずかしながらガーッと怒鳴り散らして発散したときもありました。
ガーネットさん、こういうときはお父さんにがんばってもらいましょう。一人で背負い込むとますます悲しくなってしまいますよ。

くまさん

ありがとうございます。
実は、「馬鹿」とも言われていますが、「Gehirnがあるのか」とも言われています。
それ以外にも色々と。
娘からは、あんなひどいこと言われても我慢してるなんて!と呆れられ、
それでまた泣きたくなります。
それでもいつかは良い方向に、と信じている自分は、
それが無償の愛というのかはわかりませんが、
母親であるが故の、愚かで一途で盲目な部分を持っているのだと思ったりもします。

pharyさん

ありがとうございます。
こういうのはうちだけじゃないうちだけじゃない、と思いながらもつらいです。
【女の子は、グサッと胸に刺さるような、でも的をついている、
それだけにきつい言葉を吐きませんか?】
まさにその通りです。的を射てグサッと来る娘の言葉に、
また涙が浮かぶ始末。情ないです。
ただ今出張中の主人には、電話やメールで状況を伝えるのですが、
ほら、これまでにお気づきかとは思いますが、
うちは夫婦も親子もうまくいってませんから、
俺にどうしろと言うんだ的な返事が来るだけなんです。
そんなわけで、私は一人で背負い込んでしまってるんですね。
全ては夫婦不仲が原因である、といつも思いますが、
そこをぱぱっと改善できるものでもありません。

ガーネットさん、ママをバカ呼ばわりはどうかと思います。毅然とした態度も見せるべきだと思います。
歯列矯正がつらい息子さんの甘えもあるかと思いますが、母親の強い所もみせておかないと反抗的な態度がどんどんエスカレートしていかないかと心配です。
でもね、口で言うのは簡単ですけど、実際にではどうやって?ですよね・・・。
母親もつらいけど一生懸命がんばっている姿を見せるしかないのかなぁ。
えらそうに書いてごめんなさいね。
読み過ごして下さいませ。

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Yogacatさん

本当に、口で言うのは簡単、です。
育児書を読んで理解ができても、実践するのは実に難しいことが多くあります。

何をもって毅然とした態度と言えるのか、そこがまた難しいのですが、いわゆる「毅然とした態度」を、ドイツに来て以来、私が徹底して取っては来なかった、ということだと思っています(東京にいた頃は状況が全く違っていました)。

歯列矯正が引き金になっての今の状態、と思われる方が多いかと思いますが、息子のこの状態はなにも今に始まったことではなく、ドイツに来てからです。
だからもう5年以上になります。

ドイツに移った年の9月、誰も知る子のいない小学校に1年生で入学し、周りの子供達は皆、幼稚園から一緒の子達で既にグループができていました。同級生から上級生からScheisse Chinese !と言われ小突かれ傷つけられた息子です。他にも意地悪をされたことや、仲間はずれにされたことが何度となくあります。

でも、意地悪な子供達への復讐は、かなわぬことです。復讐ができないとどうなるかと言うと、その怒り・憎しみの感情は、世界でただ一人それをぶつけることのできる母親に向かいます。さらには、自分が意地悪されるのは母親が日本人だからである、と息子が信じている限り、対象は私なのです。学校で嫌な思いをする分を、私にぶつけなければ息子には発散する場所がありません。私に対し発散するに当たっては、自分が馬鹿にされているのだから、私に対しても「馬鹿にする」言葉が出てくる。そのように分析した時、「毅然とした態度」が私には正直言って取りにくくなってしまったのです。しかし、これもまた、間違った分析なのかもしれません。

読者の方からは、それとこれとは話は別!と言われるかもしれません。
ただ、学校で傷つき、特に1、2年生の頃は、外人嫌いの担任にも嫌われた息子ですので、私は息子をただただ気の毒に思い、そんな中でもちゃんと毎日学校に通い続けた息子を褒め、親に向かってひどいことを言ったとしても許してしまい、「毅然とした態度 」を取らなかった。そこがまた、私の愚かな一面だったのでしょう。

何だかすごく長くなりましたね。最後に蛇足ながら書き加えたいと思うのですが、
3、4年生の時の担任の先生が、こんなことを言ってくれたことがあります。
「この子はあと5、6年もすればかっこいい男の子になって、さぞやモテモテになるでしょう。周りの子とうまく付き合えないところがあるけれども、いい子だしかわいい子なんですよ」。
あと数年して、誰か女の子に好かれるような日が訪れたら、自分が好かれることがあるという喜びに心のしこりが解けていくのではないかな、そうあってほしいな、と思っている私です。

ガーネットさん、私のブログにコメントを下さりありがとうございました。
気を使わせてしまって、何だかこちらが恐縮しちゃいましたよ。
息子さんにはそんないきさつがあったんですね。
3-4年生の担任の先生がおっしゃった事が起こる事を私も祈ってます。
(それにいざとなると頼りになるお姉ちゃんもいますしね!)

Yogacatさんを始め読者の方には同意見が多くあると思いました。それでそういう皆さんに向けて書いていったら、どんどん長くなってしまって。読み過ごしてと言われてもやり過ごせない私は、かの生協の白石さんよりすごいんじゃなかろうかと(笑)。もちろんあのような素晴らしいユーモアのセンスは持ち合わせておらず、立場もあまりに異なりはしますが、ああいう朗らかな返答を思いつく人であったなら、子育てもはるかにうまく行っていたことでしょう。

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