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カーボン・フリー・マン

昨日娘の学校では、「ウィンター・スポーツの日」の予定だった。

生徒達が、スキーorスノボ・スケート・雪道散策の3つのうち、
どれかを選んで参加するというもので、娘はスキーを選んでいた。

折りしもここ数日雪が降り続き、時折吹雪く悪天候。
昨日朝の道路情報では、雪のため各地で
車の事故が相次いでいると伝えていた。

地上がこれでは、山の方はものすごい天候だろうと思い、
吹雪の中でのスポーツ・ディになったら気の毒にと思った。

朝、娘を学校まで車で送った。
道路は、除雪車の通った後ではあったが、
既にうっすらと湿った雪が積もっていた。

行く途中でクラスの友人一人を乗せていくことになっている、
と娘が言っていたので、その友人宅にまわる。
こんな天気じゃ、いっそ中止にすればいいのにねぇなんて
話しながら車を走らせていると、
前方に、雪降りしきる中を危なっかしげに
スノボを脇に抱えて自転車に乗っている人がいるではないか。
見たところでは、男性のようだ。

スノボが手からずれ落ちる度にその人は、
自転車を止めては持ち替えたりしている。
後方から接近しながら、私はもう、
ああ大変だろうな、乗せていってあげたいな、
と思ってしまった。

私自身、ドイツに来てからというもの、
必要に迫られて雪の中を自転車に乗ったことが何度となくあるので、
雪道の自転車が大変なことも危ないこともよくわかる。

それにしても、今日のこの悪天候にスノボ抱えて自転車とは、
これはもう娘と同じ学校の「生徒」に違いない、と私は思った。
「ウィンター・スポーツの日」のために、一生懸命自転車をこいでいるのだ。
きっと、何かしらの、親に車で送ってもらえない事情があるのだろう。

しかし、と私は考えた。
彼を乗せてあげるのはいいが、彼の自転車はどうする?
うちの車のトランクは結構大きくて便利だが、
自転車をそのままひょいっと乗せられる程ではない。
そして私は、追い越し様に運転席からその人の、
必死の横顔をちらりと盗み見た。

若くない。
と言うか、生徒程には、若くない。
となると、先生であろうか。

娘は、いいよいいよ行っちゃおうよ、と言うし、
顔?見なかったよ、とも言うし、
そんな風に親切に声かけたりしないもんなんだよドイツでは、
とも言うしするので、後ろ髪は引かれたが走り去ることにした。
四輪でも上り坂などは走りにくい湿った雪の道、
さっきの自転車さんはさぞ苦労していることだろう。

さて、学校の駐車場に車を入れエンジンを切った。
女の子二人が荷物を車から出そうとすると、
たまたま同じタイミングで駐車場に車を停めた初老の先生が歩み寄ってきて、
「知らなかったのかい?今日は中止で明日に延期になったのだよ」と言った。

えぇーっ!としばし絶句の女の子二人。せっかく支度したのに。
始業時刻までまだ少し時間があることだし、
どうせ学校もバタバタしていることだろうし、
それじゃあ家に戻って普段の学校の用意をして出直そう、
ということになり、今来た道をとんぼ返りする。

と、先ほどの自転車さんが、やっと来るところだった。

今度はすれ違い様に女の子二人がその人をちゃんと見て、
あ、○○先生だ!と言った。聞くと、ラテン語の先生だそうだ。

さっきは乗せてあげようかとまで思ったが、
でも、学校の先生がまさか今日は中止というのを知らないというのも変な話だし…
と思い、女の子二人が、あの先生って結構変!とか言うしするので、
振り返らずにそのまま直進。

ああ、あの先生は、
学校への坂道(最後は長ーい登り坂)を登りきった所で知ることになるのだ、
今日は無しだよんと。

さて、午後に帰宅した娘がこう言った。
今朝学校のホームページに出てたんだって、今日の延期のこと。

うっかりした、そういうのがあったのだった。
クラス担任が前日にでも言及してくれていたなら、
生徒達もちゃんとチェックしただろうに。
いつもひと言足りないのは、あの学校の不親切な所でもある。

でも、あの先生、
先生なのに、学校のホームページ見なかったのね、
と思ったら、何だか笑えた。

娘によれば、あの先生は、車を持っていないのだそうだ。
聞けば、同じ町に住んでいて意外にもご近所さんなのだった。
冬場は生徒達と同じバスで学校に通うこともあるが、
基本的にはとにかく自転車!

田舎に住んでいるのに車を持たないのは、きっと何か理由があるのだろう。
それとも、単にそういう主義なのか。

娘が、「あの先生ね、あれから家に引き返して、普段の用意をして出直したんだよ、
あの先生っていつでも自転車だけどさ、引越も自転車でやったんだよ
と言ったので、私は思わず吹き出してしまった。
(それは同じ町の中での引越だったそうだが。)

私には、その先生が先生としてどういう人物なのかは殆どわからないが、
CO2(カーボン)排出量の増加が深刻な問題となっている昨今、
しかしこんなにカーボン・フリーな人もいるのだと、ひたすら感心した。

そう、努力や苦労無しに省エネは実現しないのだ。

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コメント

送迎ご苦労さまでした。
日本の学校のように連絡網なんてないんですね。
最近は日本も個人情報保護の観点からなくなってきているみたいですが。
でも、仮にドイツの学校で連絡網を作ったとしても
最後の人まできちんと連絡がいく確率は低そうですねi-202
連絡網は律儀な日本人だからこそ成り立つ連絡手段なのかも…i-198

電話連絡網ってありませんねこちらは。
息子のサッカー練習なども、連絡網が無いので、急に練習が無くなったような時にも知らずに出かけて行ってしまうなんてことが時々あります。練習があるものと思って用意をしている子供達は、そういう時は気の毒です。
私は、息子の学校のウェブサイトはよくチェックしてるんですが、なぜか娘の学校のサイトを実はこれまで一度も見たことが無かった。うっかりしてました。

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