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持つべきものは忍耐

随分と前のことになるけれど、
あるお母さん(Aさんとしておきましょう。ドイツ在住日本人)と話した時のこと。
うちの子供達の近況を聞かれたので、学校のこと、家でのこと、色々話した。

私から話した中に、こういうのもあった。
うちの子供達は、とにかく部屋を片づけないのでもう大変。
部屋はいつも、足の踏み場も無いような、すごいことになっている。
二人とも、服など床に脱ぎ捨てたままで、
よくもよくもこんな散らかった部屋に暮らせるものだと呆れる。
息子はまだ、私が部屋に入って片づけたり
掃除機をかけたりしても文句を言わないけれど、
娘は誰かが部屋に入るととにかく怒る。
それなら自分でちゃんと片づけるようにと私が言えば怒るし、
たまりかねて私が片づけに入るとそれも気に食わない。
等など話したら、Aさんがこう言った。

「あのね、放っておけばいいの。いつか限界が来るから。
限界が来たら自分で片づけるようになる。そうなるまで放っておけばいいの。」

「でも、脱ぎ捨てた服で床なんてほんとすぐに埋め尽くされちゃうの。
放っておいたら、夏なんかほら、汗で湿った服なんか臭いもするし、
それに、あんまり放っておき過ぎていつしかカビだって生えるかも知れない。
私、嫌だな、そんな汚れ物が何日も子供の部屋にあるのは。
子供は散らかっていようが平気で呑気にしていて、
だから子供には「限界」なんて来ません。
そして私には限界がじきに来ちゃう。
これはもう、我慢比べみたいなもので、結局私が負けちゃうの。
そのうち私はたまりかねて、床に散らばった服とかかき集めて洗濯しちゃう。
だってやっぱり我慢できないもの」

(そしてテーマは「洗濯」となった。)

Aさん「え?ガーネットさんって子供達の服いまだに洗濯してあげてるの?
だめよ、いつまでもそんなことしてちゃ!
特に女の子はね、生理が始まったらもう親が洗濯なんてしないものよ!
自分でさせなきゃ駄目!
男の子だってそうよ、洗濯でも何でも、自分でするように親が仕向けなきゃ駄目!
それが躾じゃないの!
カビが生えても腐ってもどうでもいいから放っておく!
とことん着るものが無くなって困ったら、
ちゃんと自分で洗うようになるから大丈夫」


ところで、私がそのAさんと知り合ったのは、
私達が初めてドイツに住んだ時のことで、
だから今から13年も14年も前のことになる。

彼女は私より10歳程年上で、3人も息子さんがいて、
すでにその3人共とっくに成人している。
それに、長男さんは確か昨年だったかに結婚をして所帯も持った。
だから、私から見たらもう、「母親業の大先輩」ともいえる人だ。


ところで、人の育児に口を出すのは、これはもう万国共通のタブー。
私も、自らの経験から、そう信じて疑わない部分があるにはある。

特に、子供が第一子で、さらにその子が幼ければ幼い頃ほどに、
育てる方の親は手探りで頑張っているから、
他者から子育てに対し口出しやアドバイスをされると、
どうしても素直に聞けない部分があって、ムカつくこともあったりする。

(自分の方から、こういう時にはどうしたら?と誰かに助言を求める時は、
 それは全く別のシチュエーションだから、素直に聞けるというものである。)

しかし私のように、子供達もある程度成長し、なのにいまだ育児に何の自信も持てず、
既に失敗だらけの育児であったと顧みることの多い日々を生きる身としては、
大先輩の苦言助言を素直に聞こうと思う姿勢が、時には頭をもたげたりするものである。


さて、「洗濯」だった。

ある程度の年齢になったら子供も自分で自分の物を洗濯すべきだ、
と言われると、まあ確かにそれはもっともなことだと思う。

ところで、普段私は、ほぼ二日ごとに洗濯している。
色物と白物とに分けて洗うから、洗濯する日は二回洗濯機を回すことになる。

例えばうちの娘が、一人で洗濯一回分の汚れ物を1週間かけて溜めるよりも、
家族4人分をまとめて私が二日おきに洗っていれば、
その方が効率が良いんじゃないだろうかと思ってしまう。
そもそも、各自が着替えをそれ程沢山持っていないから、
洗濯サイクルが短い方が、家族みんなが助かるのが我が家である。

そんなわけで、Aさんからの実にためになるアドバイスではあったのだが、
実行せずに今に至っている。

娘は、学校の休暇中などは余裕も生まれるのだろう、
自分の分を自分で洗濯して干すこともあるが、
普段は、急遽洗いたいものが無い限り、そういうことはほとんどない。


それにしても、、、と私は思う。

Aさんは、カビが生えようが放っておけば良いのだ、と言った。

私はつくづく、育児に必要なものは「忍耐」だと認めざるを得ない。

臭かろうがカビが生えようが、放っておける忍耐。
散らかっていようが足の踏み場も無かろうが、放っておける忍耐。

いやそれは、無関心とも言えるだろうか。
そういうものこそ必要なのだ。
そしてそれを、私はどうしても持ち合わせることができない。

忍耐がないから、しびれを切らして何かと手を出したくなる。
関心があるから、何かとうるさく言ってしまう。
ちょうど良い具合に放っておくということが、いまだできていないということか。

だから、「だめねぇ」と誰かから言われては、
自信の持てぬ子育て、間違いだらけの子育てを、改めて思い知らされる。

さ、さ、これでオシマイ!と言える日が来るのは、
一体いつなんだろう。

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