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親から教わったこと

既に両親ともいない私は、時折ふと、過去を振り返り考えることがある。
「子供の時分から此の方、親から何かを教わったとしたらそれは一体何だったろうか」と。

実のところ、たいしたことは何も教わらなかったような気がしないでもない。
だから私は、社会人になる前も、そして社会人になってからも、
手探りで生きてきた部分が大きいと自分では思っている。
親が示す道しるべみたいなものが無かったから、そうするしかなかった。

だから、社会に出て世渡り上手な人と接した時には、
格好悪かったことも恥をかくことも共に多かった。
良く言えば私は、純粋で擦れていない全うな人間に育ったかも知れないが、
その反面、世間知らずで処世術をわきまえぬつまらない人間になったような、
そんな思いはいつも少なからず自分の心に引っかかっていた。

だからなのだろう、私は、自分の子供には色々教えてあげようと思っていた。
私自身がみっともない思いをした経験を、子供にはさせたくないと思った。
いつも先回りをして子供に道を示そうとした。
子供に自分で考える隙を与えずにただ、こうしなさい、こうすれば大丈夫、と言った。

その全てが、実は至って余計な道しるべだったのだと、
私はこの数年でやっとわかった気がする。

考えてみれば、私のしてきたことは「かわいい子には旅をさせよ」の反対だった。
かわいい子供が足を踏み外さぬようにと、いつも先回りをして行く手を照らしたのは、
やはり正しくなかったのだと、今は思う。

格好悪い間違いをしでかしてもそこからまた学ぶ姿勢、
失敗し傷ついて、しかしそこからまた立ち上がり、
そこでまた生き方を学ぼうとする強さ、その強さを発揮する力を、
私は子供からことごとく奪ってしまっていたのだと、今になって思う。

親が私に決してうるさく言わなかったことを、私は子供にうるさく言ってきた。
よかれと思って言ってきたことなのに、しかし必ずしも良くはなかった。

失敗から学ぶ心。
自分が傷つく時、誰かを思いやる心。

「わざわざ教えないけれど、自分で気づけることなのだよ、そのうちにはきっと気づくんだよ」と
親は心を込めて伝えてくれていたのかもしれない。

あの昔、それを気づけぬ私の前に、親はじっと居てくれたのだと、今はそんな風に思う。


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