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息子の一人旅-2

息子は今、一人でスウェーデンに行っていて、
夫の友人一家にとってもお世話になっている。


こう言っちゃあ何だが、
息子のいない我が家ときたら、あぁなんて静かで平和だろう。
それはもう、笑みが浮かぶほどに。

夫婦の不和と父娘の不和をちょこっと脇に押しのけて、
何も無いような顔をして微笑んでみれば、
この仮初めの平和に、仮初めに心が満たされる気分さえしてくる…
…なーんちゃって。

とにかく、自分に向かって罵声を浴びせてくる存在が留守だというのは、
私にとっては実に心休まるものがある。

世界のどこかで元気に楽しくしてるなら、(←元気で楽しく、これこそ全て)
とりあえずそれでいいよ(帰って来なくてもいいよ)、
とさえ言いたくなりそな気がしてコワクなる。


さて、子供が一人で飛行機に乗る、というのは、
私達にとって初めての経験だった。

乗降りの付添サービスを電話で頼んだ夫も、
具体的なサービス内容はわかっていなかった。

息子が発つ日、夫と私が同行してミュンヘン空港に向かった。

家を出るまでと車の中でも、息子の様子は別に変わったところが無かったので、
ほぉ意外と平気でいるんだな、ナーバスになったりしないのかなと私は内心思った。

でも、空港に着いてからは、息子の表情がちょっと神妙になった。

チェックインカウンターで、息子が一人で飛ぶことを告げると、
カウンターの女性は私達をすぐそばの別カウンターに案内し、
ここに必要事項を記入するようにと夫に書類を渡した。

書類に記入するのは、夫の住所氏名連絡先はもちろんのこと、
到着先の空港で息子をピックアップする友人の住所氏名・携帯電話等。
同時に夫は、セキュリティを通って出発ゲートまで一緒に行ける許可証ももらった。

ふぅん、親(というか付添人)の一人がゲートまで行っていいんだ…と、
私は(そういうシステムをこれまで知らなかったので)ちょっと驚いた。

夫がゲートまでも行けるなら、それこそもう何も心配要らないと私は思った。
息子は何も口に出しては言わなかったが、かなり安心したはずだった。

後で夫から話を聞くと…
スウェーデン行きの飛行機へは、
ゲートから専用バスで移動することになっていた。
そのバスにまでは夫は乗れない。
夫が息子を預けたのは、そのシャトルバスの運転手さんだった。
運転手さんは、夫が先程記入した書類を受け取り、
息子を引き受けたとの意味で書類にサインをした。

おそらく機内では、乗務員の責任者のどなたかが
運転手さんから息子と書類を引き受けてサインをする。
そうやって、責任の所在が明らかにされていく。

到着先の空港では、夫の友人が
身分証明できるものを持参の上で息子を待つことになっていた。


夫がゲートまで行くと知り、
私にはもう何も気がかりなことは無くなったので、
今や勝手知ったる空港内をぶらぶらしてサマーセールのショップを覗き、
その後はのんびりと「MAC(←ターミナル1と2の間の広場の名称)」の
ベンチに腰掛け夫を待った。


ちなみにただ今「MAC」には特設ビーチバレー場が出来ていて、
それを四方から囲む観客席が設けられている。

(クリスマス市の頃の特設スケートリンクと言い、
 夏場のビーチバレーと言い、
 空港内にこういうものを作るという心意気が、良いなあと
 私などは思うわけです。日本には全く無い発想だと。)


息子の乗った便が離陸まであと15分という頃になり夫が戻った。
私達はミュンヘン空港を後にして、夫の実家に向かった。
その夜は夫の実家に一泊する予定だった。

年のせいで庭仕事などすっかりできなくなった義両親のために、
時たま行ってはせいぜい頑張ってくることにしている。


夕刻、翌日を待たずに簡単な庭仕事に手をつけていると、
スウェーデンの友人から夫の携帯に電話が入った。
息子が無事に着いたとの連絡だったので、
特に義母はほっとして胸をなでおろした。私も安心した。


こちらバイエルンもずっと天気が悪かったが、
スウェーデンも同じだったと聞いた。
今回うちの息子は晴れオトコだったのだろうか、
息子が着くという日からスウェーデンの天気が回復した。
と同時に、バイエルン州の天気は息子が去って回復した。
雨オトコのような晴れオトコのような息子だ。


とっても楽しいホリディになるようにと、
普段にどれほど馬鹿にされようが何だろうが、
結局この母は、祈ってしまうわけだった。


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コメント

初めまして!

ガーネットさんの息子さん、なんだか私の弟にちょっと似ています。今は26歳にもなったので昔の話ですが、母に対してすごく口も悪く、母の作った食事も気に入らないと母にスーパーやお弁当屋に買いに行かせる始末でした。
そんな彼も、実家を出たりしてみて母の存在のありがたさを知ったのか今では私より母に優しい息子になってます。
きっとこの旅行で息子さんが何かを感じ取ってきてくれるといいですね。っと私も願ってます。

なつこさん、初めまして!

お母さんに買いに行かせた……ああ、なんか、買いに行くお母さんの気持ち、わかる気がします。そうすることで我が子の悪い部分が助長すると百も承知しているのに、それでも子供に何か食べておいて欲しい気持ちには負けてしまうんですよね。放っておいても生きているというのに。
今ではなつこさんよりお母さんに優しい弟さん、なのですか。変われば変わるものなんですねー(笑)。
うちの息子の場合は、この旅行から戻っても「やっぱり余所の家はいいなあ」という結論に達する可能性大のような気がします。それでもなつこさんの書かれているように、何か感じ取って成長して帰って来て欲しいです。
そうですね、いつかまた優しい息子に出会えるだろうことだけは、ずっと信じていたいです。どうもありがとうございました。気持ちが少し楽になりました。

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