FC2ブログ

意見はパラレル

購入後3年か4年かを経た夫の腕時計。
皮のベルトが随分と傷んでいた。

いい加減ベルトを交換しないとさすがにみっともない域に達していたので、
夫はこのところ買い物に出かける度に、その付近に時計店があれば入り
自分の腕時計に幅の合うベルトが有るか尋ねた。

メーカーオリジナルの物を買うとそれなりに高い。
オリジナルのものでなくていいから合うものが無いだろうかと、
あちらこちらの時計店を覗いては尋ねてみたが、
少々特殊なデザインだったりしてなかなかぴったり来るのが見つからず、
結局ネットショップで探すことに。

私に言わせれば、そのベルトは
今よりも優に1年早く交換したって良かったくらいに傷んでいた。
ワニ皮なのか、牛革のワニ型押なのか知らないが、
ひび割れた箇所がいくつも出てきて実にみっともなかった。
夫も随分と我慢していたものだと感心する。

メーカーオリジナルの皮ベルトに替えるとすると、
これが200ユーロ(約27000円)近い。

夫は腹を立てる。
たかが腕時計のベルトが、なぜにそこまで高いのだ!

そう、ベルトだけでもそのお値段なので、
時計本体も一緒くたにすると夫の腕時計は
まあ私たちにしてみれば結構高い物と言える。
おそらく夫の持ち物の中で最も値の張るものだ。

しかし、ものすごく高価なものとは思わない。
夫の年齢を考えれば、ちょうどふさわしいものであろうと私は思う。

さて、ネットショップで探した夫が見つけたのは、
50ユーロ(約7000円)のベルト。
それがなんとオリジナルのものだと言うから実に疑わしい。

200ユーロと50ユーロではあまりの差。
私は少々心配になるが、送られて来るモノが大丈夫であることを祈ろう。
というか、私にとっては、自分が身に着けるものではないということで、
正直なところ、半ば以上はどうでも良い。

50ユーロのそのベルトが本物であれば御の字だが、
果たしてどんな物が送られて来るのだろうか。


ところで、たかが腕時計のベルトが200ユーロもするとは!
と頭にきた夫に向かって、彼をなだめるつもりで私はこう言ってみた。

「でもあなたは、その時計をしていることで、気分がいいでしょう?
あなたをいい気分にしてくれる時計なのだから、
そのメンテナンスのために多少の出費をするとしても、
まぁ許せるってものじゃないの?

それに、新しいベルトに替えたら
おそらくまた3年か4年かは交換しないでしょうから、
200ユーロのベルトを買ったとしても、
3年使えば一日当り20セント足らずなわけだし、
そう考えれば安いものじゃない!」


「ものは考え様」が人生のモットーとも言えそうな私という人は、
よくそういうものの考え方をする。


例えば、我が家の食卓の、6脚の椅子。
これも結構高かった。

食卓も椅子も、イタリアのメーカーのもので実に素敵なデザインで
(あぁ…この手のデザインは、日本、いや、アジアには絶対ありえないものだ…
 とあえて書いておこう)、
椅子は、当然のことながら格好も素敵だが座り心地も実に良い。

意見が常にぶつかり合って延々と平行線をたどることの多い夫と私にしては
あの時は実に珍しく意見が揃ってその椅子とテーブルを気に入ったために、
椅子だけを見ても1脚250ユーロ(約35000円)というお値段だったが心を決めた。
買い換えたのは2年前だったか。

(それ以前の食卓と椅子6脚はかれこれ10年以上使っていたので
 特に椅子は随分とくたびれていた。)

私は思ったものだ…。
この椅子を一番使うのはこの私。
ああ、いったい、日に何回座ったり立ち上がったりまた座ったりを
私は繰り返しているだろう。毎日毎日毎日、一年365日の毎日。
それを考えると、椅子は美しくもとにかくとにかく強くあってくれなくては困るのだ。
私を支えてくれるために。

それに、私達はこの椅子を、この先少なくとも10年は使うだろう。
10年使うと考えれば、250ユーロ÷3650日ということで、
ほら、一日当たりは、実に1脚7セント。

そういう風に考えると、ほーら、何だか許せる気分になってくる私。


しかし夫は反論した。

(夫の反論、妻の反論。
 しかしこれは我が家において実に当たり前の光景であり、
 いつの頃からか、夫の意見と私の意見は
 ほぼ間違いなく常にパラレルに突き進むことと相場が決まっている。)

夫が言う。
「この先ベルト交換の度にオリジナルのベルトを定価で買うことを考えれば、
さらにあと4回も買ったら腕時計本体の値段を越してしまうではないか。
それはやはり理不尽である!」

(そんならもう少しベルトの安いものを買えばよかったのに…)


ということで、ドイツ人の実にもっともな理論攻めに対し
私はまたも疲れて口をつぐむのだった。


なだめてあげようとしたのに、反論するとは。
まあいいわ。それならそうやって怒っていれば良いのよ。

お気に入りの腕時計が日々あなたにもたらす満足感に目を向けず、
3年か4年に一度のベルト交換に文句を垂れるあなた。


そういうものじゃないのに、と私はやっぱり思ってしまうのよね。


FC2ランキングへブログランキングへにほんブログ村主婦ブログへにほんブログ村ドイツ情報ブログへ
0円のWEB素材屋さん
のランキングボタンです。
ボタンにカーソルを乗せると行き先が出ます。
さあ行きたいところをクリックしましょう!ついでに私も喜びます。
スポンサーサイト



コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

実に実に

実に実に実に実に「実に」が多すぎて心にひっかかり読めたものではありません。

Re:実に実に

> 実に実に実に実に「実に」が多すぎて心にひっかかり読めたものではありません。

なるほどー。
全く意識しませんでしたが、今しがた数えてみたら、
「実に」実に5回、でしょうか、出てきましたねー。
これはもう実にうるさかったですねー。
 
校正不足を否定するものでは決してありませんが、
読めたものではない、あぁなんてへたくそな文章だ、と思った時点で
クリック一つで立ち去られるのがよろしいと思います。

そのようなコメントを残すというのは、
あなたがあなた自身を「下げる」行為だと私は思います。

ひとは、普通ならば面と向かって赤の他人にそのような言葉を言わないものです。
ネット上でも同じと考えるのが良いと思います。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Message
★当ブログへようこそ。
★コメントは承認後の公開です。
★非公開ご希望コメントに対しては、お返事したりしなかったりです。
★拍手コメントは受付けていません。
★ランキングボタンや拍手をクリックして下さる皆さん、どうもありがとう!
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
プロフィール

granat

Author:granat
初めまして。ガーネットです。
南ドイツ・バイエルン州に住んでいます。
どうぞよろしく!

もっと知りたい方はこちら
FC2カウンター
最近のトラックバック
ブログ内検索
月別アーカイブ