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「やあ、皆さん!」

我が家から数百メートルの所に、現在新築中の家がある。

施主のマイクは、奥さんと小さな子供2人の4人家族。
現在は、我が家とは道路を挟んで斜め向かいの借家に住んでいる。

彼等の念願のマイホームは、
まず地下室が出来、そしてレンガが積まれて壁が立ち上がり、
今では屋根が、その形まで出来上がっている。
瓦が来るのは来週あたりか。

マイクとうちの夫とは、友人という程ではないけれど、
顔を合わせれば立ち話が始まる位には仲がいい。


先週末、夫と散歩がてら外に出た時、その家の前を通りかかった。

新築工事は完全週休二日制。
平日の工事は、朝は早いが午後は5時にもなればぴたっと終わり、
土日に全く進展は無い。これで意外と静かなものだ。

散歩の足を止めて「ちょっと見てみよう」と言う夫。
そしてずかずかと他人の土地に入って行く。

「ちょっと…まずいんじゃないの?いくら知り合いの所でも」
私は日本人よろしくそう言うが、無論それに構う夫ではない。

と言うか、そういう事を咄嗟に言い出す私の方が、
ここではかなりちぐはぐなのだ。


まだまだ完成は先であろう現場。
よその土地だし余所さまの家だと思うと、
私なんぞは気が小さいから、土地に足を一歩踏み入れるのも気が引ける。

それでも、興味が無いわけではない。
どんな間取りなのか、見たくないわけではない。

結局のところ、遠慮しいしい家のすぐそばまで、
ずうずうしくもついて行った。
(家は道路から20mくらい入った所に建っている。)


夫は何も気にすることなく、
「トモダチの家ダカラ」とか何とか言って、
家が完成すればここはおそらくリビングになると思われるスペースに
勝手に足を踏み入れた。

壁はまだレンガが積み上げられただけの状態。
それがどんな素晴らしいレンガか私は知らないが、とても色の白いレンガ。


夫が「ほーら、勝手に入っても大丈夫」
と言うので、何かと思って顔を上げると、
白いレンガの壁にチョークで書かれた落書きみたいなものが目に入った。

こんな感じにスマイリー付きで、
「Servus Leute ! ゼァヴス・ロイテ!」と書いてある。
やあ、みなさん!
「ゼァヴス」は、南ドイツのとてもくだけた挨拶で、
会う時も別れる時も使えるから便利。
でも私は外人なので、使うことはない。

そもそも、ここで生まれ育ったならいざ知らず、
三十をいくつも過ぎて住んだドイツだ。
ちゃきちゃきの、いや、こってこてのババリアっ子に対し、
敬意を表する気持ちで私はこちらの方言は基本的に喋らないと決めている。
喋ろうと思えば多少喋れるとしても。

「ロイテ」は「人々」の意味だから(ババリアン達の発音は少々キタナくなる)、
つまりこの壁に書いてあるのは、「やあ、みんな!」
大人の字だから、マイクか彼の奥さんが書いたのだろう。

そのわずかな行間に、
「どうぞ!見てっていいよ!」と
歓迎の意が汲めそうではないか。

ほほぅ。いいなぁ。こういうの。寛容で。


現場には、立入禁止のテープも無ければ、
危険だの何だのと注意書きの看板も無い。
これがまた、うるさくなくていい。

(地下室を作るために巨大な穴を掘っていた頃は、
立入禁止のロープでも張るべきじゃないか、
こうも何も無いんじゃ危ないんじゃ?と思ったものだが、
それもとうに過ぎた話で、誰かが落ちたとかいう話も無かった。)


足場が悪かったり、床のどこかには配管の穴があったり、
階段もまだ無いから気をつけないと地下室にころがり落ちるが、
そもそもそこは「現場」であって、危険が一杯。
見学者が、ごく普通の注意を払わない訳は無い、常識的に。


バイエルンらしい家が建つという話だ。
それは全く私のティストではないが、
どんな家に仕上がるのかは、私もとても楽しみにしている。

だってドイツ人は、ほんっとに立派な、いい家を建てるから。


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コメント

NoTitle

こんにちは。
私は「こんかつ」なぞ気にしてません。今の生活に、異性は要りません。
ガーネットさんにはもっと頻繁にブログを更新して頂きたいです。
平和だけど変化の無い北海道の生活。異文化のドイツのお話は楽しいです。
北海道ったって、ど田舎の暮らしです。ドイツの暮らしが輝いて見えます(逆なのも理解してますが)
たくさん更新してください。楽しみにしています。

NoTitle

ももちゃんさん、こんにちは。ありがとうございます、楽しみにして頂いて。
ほんとに最近は、更新頻度が落ちてしまって不定期で…。
本日(5月29日)の投稿は、ももちゃんさんのお言葉を励みに書きました。ご笑覧下さい。

NoTitle

私の相方も南ドイツ出身なのでServus(ザオス?と聞こえるのですが同じ単語でしょうか)をよく使っています。

たいがい仲良しの友達か兄と電話で話す時、ザオス!っと言っていますが、ちょっと前から私の職場のEDEKAのスタッフが「ザオス!」っと言って帰っていくのを見ました。(職場はデュッセルドルフです)

「あの人バーヤンの出身なの?」とドイツ人の同僚に尋ねましたが「違うよ、ただ面白いから言ってるんでしょう。」と返事が返ってきました。

FC Bayernはドイツ国内で嫌われてるしアクセントも笑われるのに「Servus!」だけ利用されるなんてバーヤン出身の相方を持つ私としてはなんだか納得いきませ~ん!

NoTitle

なつこさん、こんにちは。
ザオスよりかはザヴスかなーと思いますが、いずれにしてもその方は、Servusを、面白くて言っているか、少々おちょくって言っているか、のどちらかかと。

私は、個人的にはこちらの方言の発音が好きじゃありません。きれいだと思えない。でも喋ろうと思えば多少はいけますよ。何年も聞いてますので。ただ、あまりにこってこてのババリア弁で喋ってくる人には、ちょっとたじたじしちゃいますね(笑)。

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南ドイツ・バイエルン州に住んでいます。
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