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飼うか飼わぬか

この前の冬は、
モグラのおかげで裏庭にいくつもいくつも小山が築かれ
全くひどい有り様になったので、
夫がいくつかモグラ撃退策を施してみたが、
残念ながらどれも、手間の割に全く効果が無かった。

あれこれ試したのちに夫は、
「猫を飼うと良い」というのをとある農家の人から聞いてきて、
それでは飼ってみるかと言い出したのだったが、
私としては、次に何か動物を飼うとしたら、
やはり今いるモルモットがいなくなってからだろうな…と思っていた部分があり、
猫の話は結局私が本腰を入れなかったという形になりそれきり、
具体的にはならず時ばかりが過ぎた。

それでも私はあの時に、
飼うならアメリカンショートヘア、なんて思ったのだったが、
そういう猫はちょっとどこかからもらって来るわけに行かず、
ネットで探してみても近くでは見つからなかった。
と言うか、それは冬のことだったから、探す時期がずれていたのだろう。

さて、夜間にはマイナスにもなろうという今日この頃の天気。
今年は早くも週明けからモグラ襲来を受けている我が家の庭。

もちろんモグラ見張り番のためだけに猫を飼うつもりは、
夫にはあっても私には無いが、
モグラが夫の心を猫になびかすきっかけになったことは確か。

しかしモグラよりも、
実は夏の頃から義弟に猫を飼うことを勧められてもいた。
息子のためにきっと良いよと言われては、
そりゃあまぁ、情操教育には良いかもと、夫も私も思った。

それは息子にとってだけでなく、猫が足元にまとわりついたり、
その辺で機嫌よくごろごろと喉でも鳴らしていれば、
家族全員にとって良いかもと思った。ペットがかすがいになるかもと。

ところで、復活祭の頃に突然うちの老うさぎが消えて二度と戻らなかった時に、
私は自分の、「娘のうさぎの世話を娘に代わってする」という役目が消えたために、
これで意外と、かなり寂しい思いをすることになった。
ああもう世話をしなくていいんだとほっとするよりも、
どこに行ってしまったのか、はたまた連れ去られたのか、生きているのか
という心配と、姿が見えなくなったことへの寂しさの方が勝った。

もちろん私は、娘のうさぎのために生きてたわけじゃないけれども、
何と言うか、うさぎの世話が消えたことで自分がここに居る意味が一つ減った、
という風に思われて、それで寂しかった。でもそれは、時間と共に薄れていったが。

モグラのことはさて置いても、もともと決断力の無い私のことだ、
義弟に勧められても、飼おうかどうしようかとまた軽く悩み続けながら、
夏を過ごし秋も過ぎた。

うちのモルモットはころころ太って元気にしていて、今4歳だろうか。
友人の所のモルモットが2歳のある日にぱたりと死んだことを思えば、
太らせ過ぎたことは申し訳ないが、ひとえに私のお陰で長生きしているとも思う。

さて、今月に入ってより
何だかわからないが夫の方がまた猫を飼う話に積極的になり、
それで私も再びネットで探してみることに。

ある動物愛護団体のサイトを見た。
そこに登録している会員の家で
犬や猫やウサギやハムスターやトカゲその他もろもろ生まれたりすると、
サイトを通して里親探しができるシステム。

アメリカンショートヘアは見つからなかったが、
8月生まれのかわいいのが7匹もいるお宅が、
ここから車で25分の所にある。

夫に頼んで、その団体に電話してもらった。
わきで私も話を聞いていると、
こちらの住所や電話番号などを聞かれて夫が答えている。
家族構成まで聞かれていたので、私はちょっと驚いた。

そして、最も近い所に住んでいる運営委員の人が、
後日我が家を訪問することに相成った。

こんなご時世だから、まかり間違っても私達が
決して動物虐待をしない人間達かどうかのチェックが目的か。
猫がハッピーライフを送れる環境を私達が提供できるかを確認するためか。
両方+その他、に違いない。

ほほぅ。そこまでちゃんとするんだ。

夫は電話の相手から
「1匹と言わずに2匹いかがですか?」と聞かれたらしく、
いや、1匹でいいです、と答えていた。

でも、子猫をもらうなら2匹一緒に、が良いらしい。
それはまあ、そうだろう、猫にしてみれば。

そして先日、そこから人が来た。
その面接に合格しないと始まらない、と思ったら何だか緊張して、
面接官の心証を良くするためにと掃除機をかけ窓ガラスも磨いた私だ。
来客があると、家がきれいになって良い。

我が家を訪れたその女性は、私が磨いた窓ガラスには目もくれずに、
猫を飼うに当たっての心構えと飼い主がすべきことの説明を、てきぱきとしていった。
自分でも猫を2匹飼っていて、共に18歳になった今年一匹が死んだそうだ。

彼女は私たちに聞いた。

「猫は、20年かそれ以上生きる動物です。その点は大丈夫ですか?」
「猫は、住まいと密接な関係を築く動物です。引越しなど無いに越した事は無い。
 その点は大丈夫ですか?」

この人の、動物愛護の立場を思えば、
斯く斯くしかじかと説明を怠らないのは義務の様なものだと思うが、
私の様な決断力に欠けた人間をさらにためらわせるには、これは充分だった。

私は、もとは娘が欲しがって飼うことになったうさぎ
(最初は2匹だった)の世話を合計7年間、
そして、もとは息子が欲しがって飼うことになったモルモットの世話を、
これは今もまだ続いていて4年間、やってきた。

責任感は人並みにあると思うので、
自分が生きている間はペットに責任を持つつもりではあるけれど、
私が今から20年後に70になってもまだ生きているかは何とも言えないし、
その時猫がまだ生きているかもわからぬことだ。
何の約束もできないではないか。

そもそも私は、
「人間をして『誓う』などということが出来るわけがなーい」
というのが信条の一つでもある。
それだから、ここで話はかなり飛ぶが、夫と結婚する時ですら
「結婚の誓い」というのを二人で読み上げる羽目になった時に
心にかなりの抵抗を感じたものだ。

必ず猫よりも長生きをして、最期までしっかり面倒を見ます、などと、
どうして誰かに誓えようか。
だって気持ちは変わるんだし明日死ぬかもしれない。

いやいや、飼うのは猫だ、
何もそこまで考えなくてもいい。
出来るだけのことをすればそれで。

毎日、朝に昼に晩に、
小犬を連れて散歩に出ているおばあさんが近所にいる。
彼女が、明日急に倒れて犬の世話が出来なくなるという可能性までを考えていては、
人間何も始められない。

動物愛護サークルの訪問を受けて、
飼おうかな~どうしよっかな~と軽く呑気に延々と悩んでいた私は、
猫を是非とももらって欲しい、できれば2匹、というその思惑とは裏腹に、
ためらいがいや増した恰好になったのだった。

案ずるより生むが易し。
そう、案ずるより生むが易し、だ。
この真実を、何度も経験してきた。
飼ってしまえば何とかなるし何とかするし。

しかし何が私をためらわせるのか。
それはやっぱり、夫に関係してくる気が。

例えば我が家の床。ふんだんにちょっと高価な天然木が使われている。
夫はかねてより、それが汚れたり傷ついたりすると心配をする。
「猫を飼っても猫トイレはケラー(地下)に置いてくれ、餌もケラーだ」
なんて言っている所を見ると(ケラーはタイル張り)、
これで猫が伸び伸び暮らせるのかと思って私は躊躇する。
しかし猫の気持ちは知らない。猫は寒くてうす暗いケラーを好むだろうか。

そんな夫が何故猫を飼おうとまた言い出すのかが不思議な所だが、
きっと、息子のためにと思っているのだ。

しかし今度ペットを飼うならば、
私は、自分がそうしたくてそうする、という形を取りたい。

そして私はまた、毎日少し悩む日々を選ぶ。

飼うのか飼わぬのか。

飼ってみたいと思いながら飼わずにいる状態、
飼おうと思えば飼えるのに飼っていないという状態、
結局のところ私は、それを楽しんでいるのかも知れない。

まるで「アルケミスト」に出てくるクリスタルの商人のようだ。
ここでとりあえず満足をして、長い旅を始める勇気は無いのだ。



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コメント

NoTitle

もぐら、困りますよね。ウチの庭にも今年初めて、もぐらが来てしまいました。どうやら「騒音」がキライらしいということを夫がネットで検索。毎日朝晩もぐらの跡があるあたりを足音荒く歩き回りました。そうこうしているうちにお隣に移動したのか、お隣が仕掛けた罠にかかって無事御用となりました。因に、うちには猫がいますが、その効果があったのかどうかは不明ですね~。

NoTitle

うちの庭には、どこかの飼い猫が計3匹、その訪問時間は微妙にずれていますが訪れます。庭を通り抜けて裏手の森に入って行くのもいれば、モグラの山のそばに伏せてしばらく様子を見張るのもいます。少しの退屈しのぎにはなるんでしょうね。
音を嫌うというのは私達も聞いたことがあります。でも、いなくなるまでうるさくするのもかなり根気の要ることでしょうね。本来は保護されるべき動物ということになっていますが、日にいくつも土を掘り起こされると、見た目のひどさに悲しくなりますね。本当に困ったものです。

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